50年前『キカイダー』と『デビルマン』が挑んだ「裏番組」とは 視聴率はバケモノ級!
TV版とは真逆のバッドエンドを迎えたマンガ版

TVの本放送では大きな数字を残せなかったものの、『キカイダー』、『デビルマン』ともに当時の子供たちには人気のヒーローだったと思います。当時はまだアニメや特撮という言葉は一般的ではなく、「テレビまんが」というカテゴリーで子供向け作品はまとめて呼ばれていました。
そういった点ではザ・ドリフターズも子供受けして、当時は子供向け雑誌でも特集を組まれていたほどだったので、視聴率戦争は子供視聴者の取り合いだったと思います。ただ、当時のテレビは一家に1台あるくらいの普及率だったので、家族全員が対象だった『全員集合』に軍配が上がるのも無理なかったのかもしれません。
しかし、『キカイダー』と『デビルマン』の強みはTVだけでなかったことでした。マンガでも見られることが視聴率以上に、後に語り継がれることになる大きな要因のひとつです。特にTV版のハッピーエンドに近い終わり方とは反対だった、マンガの最終回のバッドエンドとも言えるビターなテイストは話題になりました。
ここではあえてその内容に触れませんが、TV版がヒーロー然としたキカイダーやデビルマンが活躍する娯楽要素の高い作品だったことから比べると、マンガ版は悲劇的な内容でヒーローを否定するような重くシリアスな大人向けの要素が強い作品だったと思います。
ちなみに2作品ともマンガが原作であると誤解されている人もいることでしょう。しかし、どちらも製作経緯を知るとよくわかりますが、TV版とマンガは同じ設定を使った別作品です。この点については石森先生も永井先生も後に語っていました。確かにふたりのキャリアと、その後に作られていった作品たちを考えるとマンガが原作と勘違いする人がいるのも当然かもしれません。
さらに、1980年代くらいまでは番組を繰り返し見られるビデオ機器などの環境が少なかったことも、より気軽に見ることのできるマンガ版の普及に拍車をかけていた一因でしょう。
しかし、筆者と同世代の子供のころリアル視聴者だった人には、TV版もマンガ版も両方好きだったという人がほとんどでした。それはTV版とマンガ版それぞれを別作品として楽しんでいるからだと思います。自分のペースで読めるマンガと違って、映像は一定の時間がどうしても必要となるので、確かに世代ではない人には敬遠されるのかもしれません。
それが理由かはわかりませんが、2作品ともに何度かリメイクされることがありましたが、ほぼマンガのアニメ化か、その影響下にある作品となっています。それほどに石森先生、永井先生の作り上げたマンガ版はドラマとして高い完成度を誇っていました。その影響を受けた作品、作家も多く誕生しています。
最近では気軽にネット配信などで昔の作品の映像も見られる良い時代になりました。『キカイダー』と『デビルマン』、半世紀経ったこの機会に、かつて一時代を築いたTV名作を視聴してはいかがでしょうか?
(加々美利治)




