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同人・キャラグッズ販売「とらのあな」が直営店舗大量閉店の理由 ファンに激震が走る

同人誌やキャラクターグッズを扱う専門店「とらのあな」が2022年8月31日をもって国内では池袋店を除く5つの直営店すべての閉店を発表しました。「とらのあな」は1994年に秋葉原に1号店をオープンした同人誌専門店の老舗で、その後は全国に店舗を拡大していましたが、近年は閉鎖が相次いでいました。なぜ「とらのあな」は直営店の閉鎖に踏み切ったのでしょうか?

「とらのあな」が直営店の大半を閉店することを発表

「とらのあな」Webサイトより
「とらのあな」Webサイトより

 2022年7月5日、同人誌を愛する方々の間に激震が走りました。同人誌専門店の老舗「とらのあな」が国内に残る6店舗の直営店のうち、池袋店を除く秋葉原店A、新宿店、千葉店、なんば店A、梅田店の閉店を発表したのです。また、2021年10月から営業を停止していた名古屋店も再出店を断念しました。

 閉店の理由としては、新型コロナウイルスの影響により店舗での購入者数が減少し、代わりに通販事業が大幅に伸びた背景があります。とらのあなのIR資料によると、新型コロナウイルス流行前の2020年度の第一四半期は店舗での購入者数は約41万人で通販の受注数が119万件となっています。しかし流行が始まった第四四半期は店舗購入者数が12万人にまで減少していますが通販受注数は114万件とほぼ変化がなく、顧客が通販志向を強めているのが見て取れます。

 2021年に入ると第四四半期には店舗購入者数24万人に対し通販が240万件と、通販事業がより活性化していることが分かります。

 年間の数字を見ても、2020年度は店舗購入者数が118万人で通販が490万件、2021年度は105万人に727万件となっており、通販が圧倒的な伸びを見せています。特に女性向け同人誌販売に関しては通販が97%、池袋店が2%、残りの店舗で1%を分け合う状況となっており、オンラインへのシフトが顕著です。

 また、2018年度からスタートしたクリエイター支援サービス「ファンティア(Fantia)」も順調に数字を伸ばしており、初年度は3億円だった流通総額は2021年度には71億円へと成長、2021年度は121億円の売り上げが見込まれています。

 実店舗については今回だけではなく以前から閉店が続いており、特に2020年に入ってからは地方店舗のほぼすべてに加え、創業の地・秋葉原においても2店舗が姿を消しています。そのような状況にもかかわらず、とらのあなの流通総額は2020年度の222億7500万円に対し、2021年度は253億7900万円へと成長を遂げました。オンライン事業への注力は成功していると言ってよいでしょう。

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