アニメなのになぜか「EDに実写出演した声優」3選 「攻めすぎて賛否」「家族を解放してあげて」
アニメ本編には姿を出さず、声でキャラに命を吹き込む声優たち。しかし、エンディングで突如その姿を表し、視聴者たちを驚かせた声優もいます。その演出はさまざまで、「めっちゃ女神」「誰も幸せにならない遊び」と、評判もかなり分かれています。この記事では、「EDに実写出演した声優」を作品と合わせて3人ご紹介します。
もはやアニメキャラ扱いの声優も「本編より笑った」
声優人気の高まる昨今、声優たちはイベントにライブにと、積極的にメディア露出するようになりました。しかし、作品内でその姿を現すことは珍しく、エンディング中に急に実写で現れ、話題になった声優もいます。この記事では、「EDに実写出演した声優」を、作品と合わせて3人ご紹介します。SNSでも「実写というかニチアサ」「ニヤニヤしちゃう」と評判です。
●『ポプテピピック』蒼井翔太

至って普通の高校生、平大地(たいら・だいち/CV:山下誠一郎)は、両親の海外出張に「思いっきり羽をのばしてやるぜ!」と胸を弾ませていました。母に「あんまり”そそぐちゃん”に迷惑かけちゃだめよ?」と言われた大地ですが、「そそぐ」という人物に心当たりはなく――?
「学園アイドルもの」風のオープニングテーマが流れ、『星色ガールドロップ』の第1星(第1話)「君だけに教えるよ!」が始まるかと思いきや、ポプ子(CV:江原正士)が「教えねえよお~!」と登場。『ポプテピピック』の本編は、まさかのここから始まるのでした。
『ポプテピピック』は、同名の4コママンガ(著:大川ぶくぶ/竹書房)を原作としたアニメです。原作がもともとパロディの多い作風だったことから、責任の所在を明らかにするため、本作はあえてキングレコードが単独製作を行いました。第1期の最終話である第12話Bパート・BパートEDでは、実写の蒼井翔太さんが、アニメ内に組み込まれる形で登場しています。
第11話までは、話数やAパート・Bパートが変わるごとに、さまざまな声優がエンディングテーマを歌唱。ポプ子とピピ美が公園で遊び一緒に焼き芋を食べる、ほのぼのとした通常EDが流れていました。しかし第12話では、Aパート・Bパート両方のEDに蒼井さんが実写で登場。当時SNSではその突然の登場に「家族を人質にとられてるんだろうな」「最大の被害者」と話題になりました。
Aパートでは「蒼井翔太役」として、終盤から「どうしたんだーい?」「僕は時を自由に行き来することができるんだ!」とさわやかに登場。ポプ子とピピ美を連れてタイムリープするような描写で、EDへと入りました。Bパートでは、蒼井さんがエンディングテーマを歌唱。歌いながら踊る蒼井さんが映され、歌詞に合わせて中指を立てる(もう片方の手で隠しながら)、本人なのに本人のお面をかぶるなど、本作らしい「クソ演出」がなされました。
そして、TVスペシャルの第14話では、各ver.のA・Bパート終盤で、再度実写の蒼井さんが登場。再度ポプ子とピピ美を助けにかけつけ、Aパートではひとりタイムリープらしきものを行います。Bパートでは、騒動が解決せず困った蒼井さんの前に、赤いオーラをまとったもうひとりの蒼井さんが現れました。
第14話Bパートは、2022年10月に放送を開始した第2期の第1話でその続きが描かれます。そして、画作りやキャストまで「仮面ライダー」シリーズに酷似した実写OPへとつながり、「(「仮面ライダー」シリーズの)坂本監督だと!?」「蒼井翔太の家族、4年経っても解放されてない」と話題になりました。この作品は、第1期は「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」など、第2期は「Amazonプライム・ビデオ」「ニコニコ生放送」「TikTok LIVE」で見ることができます。
●『ストロベリー・パニック』中原麻衣・清水愛

3つの女学校が集まる、男子禁制の「アストラエアの丘」。その敷地のはずれには、3校合同の寄宿舎・いちご舎がありました。そして3校にはそれぞれ、学校のトップである「エトワール(フランス語で『星』の意)」がおり、生徒たちからの憧れを一身に受けていました。
3校うちのひとつ、聖ミアトル女学園に編入してきた蒼井渚砂(あおい・なぎさ/CV:中原麻衣)は、編入初日から迷子になってしまいます。困っていた渚砂は偶然、聖ミアトルのエトワール・花園静馬(はなぞの・しずま/CV:生天目仁美)に出会い、見つめられたうえにおでこに口づけされて――?
『ストロベリー・パニック』は、読者参加企画のマンガ『Strawberry Panic!』(原作:公野櫻子)を原作としたアニメです。原作はのちにライトノベルやコミック、ゲーム化もされています。エンディングテーマでは、渚砂役の中原さんと、渚砂の同室である涼水玉青(すずみ・たまお)役の清水愛さんが、実写で本作の雰囲気を再現しています。
本作のEDは、最終話を除き2種類です。第1話~第13話のEDでは、中原さん・清水さんが歌う「秘密ドールズ」が流れ、手を握って添い寝するふたりや、ゆっくりと握るふたりの手、口づけしそうになるふたりが、百合っぽさ満点に映されました。
第14話~第25話のEDでは、こちらもふたりが歌う「苺摘み物語」が流れ、仲良くふたりで本を取り読む様子や、聖ミアトルの制服を着たふたりが歌う様子が流れます。なお、白いドレスを着たふたりが手を触れそうになり、第1話のように、中原さんが清水さんのおでこにキスするシーンも。
本編に合わせ、かなり百合色の強い実写EDとなっている本作。中原さんと清水さんの仲の良さは作品外でも有名で、清水さんの結婚式では、中原さんが一緒にヴァージンロードを歩きました。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」などで見ることができます。
●『らき☆すた』白石稔

陵桜学園高等学校2年生の泉こなた(CV:平野綾)は、筋金入りのオタク少女。同級生の柊かがみ(ひいらぎ・かがみ/CV:加藤英美里)、柊つかさ(ひいらぎ・つかさ/CV:福原香織)、高良 みゆき(たから・みゆき/CV:遠藤綾)と、とても仲良しです。
教室での今日の話題は、「チョココロネって、太い方と細い方、どっちが頭なんだろうね……」。続いてシュークリームやショートケーキ、棒アイスやカレーライスの食べ方、目玉焼きに焼き鳥、焼肉について……。あるあるネタをまったりおしゃべりしながら、こなたのほのぼのとした日常は続くのでした。
『らき☆すた』は、同名4コママンガ(作:美水かがみ/KADOKAWA)を原作としたアニメです。『このアニメがすごい! 2008』の「このアニメがすごい大賞」で第1位を獲得、OP曲『もってけ!セーラーふく』は、2007年オリコン年間シングルチャートで40位を記録した人気作である本作。第13話以降は、突如白石稔さんを中心とした実写EDが流れるようになりました。
第12話までは、「CHA-LA HEAD-CHA-LA」「負けないで」といったアニソン・懐メロを、こなたたちがカラオケで歌う通常EDが流れていました。しかし、第13話のEDで状況が一変。白石みのる役を演じる白石さんが、急に実写で登場します。海辺のカップルの隣で「WAWAWA忘れ物~」と歌いだす白石さんに、「暴走してて面白かった」「丸々1クールはしつこい」と、賛否両論が巻き起こりました。
その後も、ほぼ全ての回のEDを白石さんが実写で歌唱。『涼宮ハルヒの憂鬱』のEDである「ハレ晴レユカイ」をひとり海辺で歌いながら戦ったり、小神あきら(こがみ・あきら)役の今野宏美さんとビームサーベルのようなもので対戦したり。
なお、「WAWAWA忘れ物~」で始まる曲「俺の忘れ物」は、白石さんの作詞・作曲によるものです。『涼宮ハルヒの憂鬱』で谷口役を演じた白石さんが、セリフに「WAWAWA忘れ物~」とアドリブを入れたところ、それが視聴者の間で人気に。追って白石さんが曲に仕上げ、『らき☆すた』EDで歌われました。
現在白石さんは、YouTubeチャンネル「白石稔ちゃんねる」で、ゲーム実況を中心に動画を配信しています。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。
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なぜか実写でも活躍した、「EDに実写出演した声優」たち。声優のメディア露出が増え、キャラではなく声優個人の人気も高まる昨今、作品内での「実写」の活躍も増えていくかもしれませんね。いきなりの「実写」に驚いたエピソード、あなたにもありますか?
※配信状況は記事掲載時点のものです。
(新美友那)