物語はまだ終わっていない?『ときめきトゥナイト』蘭世と俊の”その後”とは
1982年から連載スタートした少女マンガ『ときめきトゥナイト』は、コミックス全30巻にも及ぶ人気作品です。魔界人と人間の禁断の恋を描いていますが、その恋の結末はいったいどうなったのでしょうか? 原作マンガとアニメ、両方の恋の結末を振り返ります。
種族を超えた、蘭世と俊の恋の行方は?
魔界人の「江藤蘭世(えとう らんぜ)」と、人間の「真壁俊(まかべ しゅん)」の「許されざる恋」をテーマにした『ときめきトゥナイト』(作:池野恋)は、シリーズ累計発行部数3000万部を突破している人気作品です。
「子孫に純粋な血を残すため」という理由で、蘭世は人間との恋を禁じられていました。蘭世と俊は、果たして結ばれたのでしょうか? 原作マンガとアニメ、両方の結末をみてみましょう。
※この記事は、『ときめきトゥナイト』のネタバレを含みます。
●原作マンガの最終回では、ロマンチックなプロポーズも?
原作マンガは3部構成で、「蘭世編」の第1部は15巻が最終巻です。俊が魔界の王子であると判明し、蘭世と相思相愛になった後のある日、魔界にふたつの月が現れ、冥王「ゾーン」が魔界の支配を企みます。それを知った魔界の王は、俊の双子の弟「アロン」への、王位継承を決めるのです。
ゾーンは魔界の王になるためアロンの王位認証式を荒らし、その攻撃から蘭世と俊をかばった魔界の王は、命を落としてしまいます。怒った俊はアロンとともに戦おうとしますが、蘭世は止めに入ります。その「愛」が生命の神を呼び寄せ、ゾーンは魔界を立ち去ったのでした。
平和が戻った魔界では、アロンの結婚式が行われ、蘭世と俊も参列しました。「すてきだったなあ 結婚式…」と言う蘭世に、俊は「いつか…」と答え、口づけたのでした。ゾーンは記憶をなくして人間に生まれ変わり、蘭世たちが楽しく登校するシーンで、第1部は終わります。
●アニメ版の最終回は、余白を残したオリジナルのラスト
アニメ版の最終回は、原作マンガ第1部の「俊が魔界の王子かもしれない」という部分で終わります。実は、アニメは連載と同じ1982年にスタートしており、ほぼ同時進行での展開でした。そのためかオリジナルストーリーが多く、原作マンガとはラストがかなり違うのです。
最終34話「恋して! 愛して! 三角関係」では、俊の腕の付け根に星形のアザがあると分かり、江藤一家は「真壁君は魔界の王子だ!」大喜びします。魔界の大王に呼び寄せられ、真偽を確かめる試練を受ける俊ですが、「アザはボクシングの練習でつけたもの」というオチでした。
がっかりする江藤一家ですが、蘭世は「そんなこと、私には関係ない。だって真壁くんは、私だけの王子様だもん!」と気にしません。しかしその後、俊は母である華枝から、「アザは小さな頃からあった」と知らされるのでした。
翌朝、俊は蘭世とその恋のライバル「神谷曜子」に話しかけられます。しかし「そんなバカな話ないもんな!」とアザの話を打ち明けないまま、3人で登校するのでした。原作マンガが終わっていないこともあってか、蘭世と俊、曜子は三角関係のままで終わっています。
●原作マンガは、さらにその先を連載中!
2021年5月から、『ときめきトゥナイト』のその後を描く、『ときめきトゥナイト それから』が連載中です。蘭世や俊はもちろん、ふたりの娘である「愛良」や、第2部のヒロイン「なるみ」も登場します。
そのほか、『ときめきトゥナイト』を作者自らパクったという『ときめきミッドナイト』や、『ときめきトゥナイト 真壁俊の事情』『ときめきトゥナイト 江藤望里の駆け落ち』などの番外編もコミックスになっています。まだまだ終わらない蘭世たちの日々から、目が離せません。
(新美友那)