80年代ブーム「キン消し」どう遊ぶのが正解だった? 首ねじ切られる悲劇も…
兄弟ゲンカによる制裁の対象にもなった「キン消し」

●型がつき曲がってしまったキン消しを戻す方法
ガチャガチャのカプセルにゴム製のキン消しが入っているため、開封すると足が曲がっていたり、人間の関節ではそっちに曲がらないだろうという方向に型がついてしまったりしていることがありました。この場合、熱湯に浸けて柔らかくし、正しい形に戻すというのがスタンダードな取り扱いだったようです。
ただ我が家では違いました。家には当時、ヤカンを上部に乗せ沸かせるタイブの石油ストーブを使用しており、その熱で柔らかくし矯正していた記憶があります。
●流行りものだけにトラブルの種にも……
とにかく当時の男児は多寡の差はあれど、キン消しを所持している人が多く、トラブルが起こることもありました。それはいわゆる盗人行為。見ていない隙に盗まれるというものですが、キン消し自体を多く所持しているとパッと見なにが無くなっているかわからず、後に追及したとて「自分がガチャで当てた」と白をきられれば諦めざるを得ませし、濡れ衣だった場合は関係性を壊す恐れがあるため、おいそれと問いただすこともできませんでした。ですので「その型のついた腕の曲がり方しているラーメンマンは僕のだと思うけどなぁ…」と思っても、関係性をブチ壊してもかまわないと決意しない限り指摘はできないものだったのです。
これを防ぐため、キン消しの足の裏に名前を書く用心深さを持った友達もいました。ただ名前を書かれてしまうと、トレードの価値がなくなってしまうので交換を頻繁に行う人にとっては敬遠されていました。
●復讐や制裁の対象になるキン消し
子供の頃、これらのキン消しは宝物で大切に集めカゴに収納していました。しかし私の姉は、キン肉マンに興味はなく、この消しゴムの価値を理解していませんでした。そんな姉とケンカが起こると、だいたいは弟の私が泣いて終結、親の仲裁により和睦で終わることがほとんどでした。
しかし、姉の怒りが収まらないときが、たまにあるわけです。そんなとき姉が目を向けるのは、私の「宝物」であるキン消しでした。私のいない隙に姉は私のキン消しを取り出し、前述したストーブの熱でバッファローマンの顔面を変形させるほど溶かし、私の机にポイと置いておく制裁。またあるときは家に帰ると、机の上にキン肉マン、ブロッケンJr.、ラーメンマンなどお気に入りのキン消しが並べられており、よく見ると首や腕がちぎられている凄惨な復讐。これがゴーレムマンの首がちぎられているならば史実通りで趣もありますが、単に姉の猟奇的でヤバ目な精神攻撃なので恐怖と遺恨しか残りませんでした。このように価値のわからない親や兄弟に制裁の的になった家庭も多かったと思います。
楽しさと恨み、入り混じった思い出深いキン消し。現在、数十万円で取り引きされる超人もいて資産価値もあるため、お持ちの方は引っ張り出してみてはいかがでしょうか。キン消し長者になれるかもしれません。
(南城与右衛門)


