「またガンプラが買えない!」転売屋に打つ手はあるのか? ファンと企業の努力で「駆逐」した事例も
転売屋と商社は違う

転売屋はしばしば「安く仕入れて高く売るのだから商社と同じだ」と発言します。とんでもない妄言です。転売屋と商社はまったく異なる存在なのですから。
まず転売屋は、あるタイミングで人気があり、人が欲しがるものを買い占めて、利益を狙います。人気さえあれば品物は何でもいいのです。つまり「人気のあるものが手に入りづらくなるように動く」存在です。
それに対し商社は品薄であれば仕入れて卸すので、「人気のあるものが手に入りやすくする」働きをしています。まったく逆です。
また商社はまだ世の中に知られていない商品をアピールし「新たな市場を作る」力を持っていますが、転売屋は新規の市場を作るどころか、既存の市場を枯らすだけの存在です。商社と同じどころか正反対の存在と断言できるでしょう。
しかしながら腹立たしいことに、現代社会において転売は違法ではありません。正当な商行為とはとても言えませんが、高価でも買ってしまう人間がいる以上、成立してしまうのです。市場が大きい場合の転売は、現状では防ぐ方法がありません。メーカーの努力に期待するほかはないでしょう。
ただし、市場規模が比較的小さい場合は、対処方法があります。一人ひとりが買わなければいいのです。実際に対策に成功した事例としては『TIGER & BUNNY』が挙げられるでしょう。
『TIGER & BUNNY』のファンは作中の登場キャラクターであるルナティックのセリフ「タナトスの声を聞け」を合言葉に、転売屋の品物には手を出さずに通報を繰り返し粘り強く戦いました。公式もファンの声に応えて商品の再販を行なうなど積極的な対応を行い、転売屋の駆逐に成功しました。
個人での品物の売り買いが非常に簡単な現代において、転売の駆逐は簡単な話ではありません。転売屋は人海戦術やアプリを使い、日ごろ学校に通ったり仕事をしたりしている人間が動けない内に買い占めを行ってしまうからです。
それでも、本来メーカーをはじめとするコンテンツを送り出す企業に入るはずのお金を転売屋にかすめ取られ続ければ、新たなコンテンツを作り出す際に使えるお金が目減りしてしまうのです。より良い物をこれからも楽しみたければ、転売屋に回る金を少しでも減らさなければなりません。企業と個人、双方の努力が今後も求められるでしょう。
(早川清一朗)



