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『FF』「防御力」ってそもそも何? 『ドラクエ』「守備力」との違いは? RPGのナゾ

RPGやファンタジーゲームで欠かせないのが、キャラの打たれ強さなどを示す「防御力」。一見分かりやすい単語に見えますが、よくよく考えてみるとゲームごとに異なる定義を持つ言葉でもあります。数々の名作RPGにおいて防御力が何を意味する言葉なのか、一緒に想像してみませんか?

「防御力」とはそもそも何なのか!

『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』ティザームービーより
『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』ティザームービーより

 RPGでHPや攻撃力と並ぶ大事なステータスとなる「防御力」。防御をする能力…とひと言で言うのは簡単ですが、ゲームにおける防御力が具体的に何を指すのかを考えてみると、実はタイトルによって千差万別であったりします。数々の名作における、防御の概念を深堀りしてみましょう。

●『ウィザードリィ』防御力を上げれば人も戦車級の頑丈さに!?

 1981年にアメリカのサーテック社からPCのApple IIで発売されたコンピューターRPGの金字塔『ウィザードリィ』では、防御力はAC(アーマークラス)という指標で表されており、低ければ低いほど防御力に優れていることを示します。

 説明書には、ACが-10(最高に低い=防御力が最高の状態)になった冒険者の頑丈さを示すものとして、その隣に戦車が並んでいるイラストが掲載されました。

 ACという語はテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下、D&D)」にちなんだものと思われますが、「D&D」では敏捷度の一部がACに反映される(=素早さが高いと防御力も高くなる)のに対し、『ウィザードリィ』におけるACは防具の性能によってのみ決まる仕様でした。

 唯一の例外であったのが上級職の「忍者」で、忍者だけは「武器・防具を何も身につけていないと、レベル上昇にともないACが下がっていく」という特徴を持っていました。忍者にとってのみ、ACが「身のこなし」を兼ねているとも言えそうです。

●素早さが守備力に反映された『ドラクエ』初期作

「守備力」という用語でおなじみの「ドラゴンクエスト」シリーズ。初期の作品は「素早さの1/2が守備力に反映される」仕様となっており、盾や鎧などの重装備を扱えない『ドラクエIII』の武闘家も、持ち前の素早さでそれなりに高い守備力を持っていました。

 その代わり、勇者や戦士だけが身につけられる重装備には呪文や炎・氷の息などのダメージを軽減する効果を持つものもあり、そうした副次効果で差別化が図られていました。

 素早さで守備力が底上げされる仕様は『D&D』の影響を感じさせますが、『ドラクエV』からは新たなステータス「身の守り」が登場し、素早さは被ダメージの軽減に影響しなくなっています。

 また、『ドラクエIX』からは盾で敵の攻撃を防ぐ「盾ガード」という概念が新たに登場しました。いわゆる身のこなしは「身の守り」、盾を使う技術は「盾ガード」で表現されていると考えると、今の「ドラクエ」における守備力は、シンプルに防具の防御性能と考えられそうです。

【画像】「防御力」の定義はゲームによって違う?(6枚)

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