『ガンダム』打ち切り後に原点回帰…サンライズを支えた「王道」スーパーロボットアニメ2作
水戸黄門モチーフのロボットアニメ

『トライダーG7』の成功を受けて制作された王道路線の第2弾『最強ロボ ダイオージャ』は、勧善懲悪で予定調和の権化とも言える時代劇『水戸黄門』をそのままロボットアニメにトレースしたものでした。
「江戸」をモチーフとしたイプロン星系エドン国に、老人の水戸黄門はミト王子、黄門様は副将軍(実際には副将軍という役職は存在しません)でしたが、ミト王子は次代国王候補の直系王族という設定です。お供の家来の名前はなんとスケさん(スケード)、カクさん(カークス)と本家と同じでした。
トライダーG7は1体だけで戦いますが、ミト王子・エースレッダー、スケさん・アオイダー、カクさん・コバルターの3体のロボットが合体してダイオージャになります。1体のときには、胸にクローバーマークがついていますが、これはメインスポンサーがおもちゃ会社のクローバーだったからでしょう。合体すると胸のマークが御紋の三つ葉葵風の三つ葉のクローバーになります。
本家と違うのはミト王子が正体を明かした後です。本家では御紋を見ると、悪人はひれ伏していたのに、ダイオージャでは敵は居直って攻撃してきます。そこをダイオージャが武器・雷鳴剣を使った「電光雷鳴崩し」で倒すのです。最後の立ち回りは1978年に始まった『暴れん坊将軍』の要素が少し入っていました。
女忍者風の家来シノブがいることも『暴れん坊将軍』の要素が入っています。本家『水戸黄門』で由美かおる演じるくノ一かげろうお銀が登場するのは1986年から。本家を先取りする要素もあったのです。
ちなみに2021年に放送されたアニメ『月が導く異世界道中』も水戸黄門をモチーフにしており、エンディングテーマも水戸黄門の主題歌「ああ人生に涙あり」でした。その40年も前に水戸黄門をモチーフにしたアニメがあったということです。
●予定調和路線は2作品だけ、サンライズロボットアニメはリアル路線に舵を切った
好評だった2作品ですが、1982年の『戦闘メカ ザブングル』では、再び富野由悠季監督作品のリアル路線に戻ります。ガンダムは再評価され1981年から映画3部作が公開。続いて、1980年テレビ東京で放送された『伝説巨神イデオン』も同じように打ち切りになったものの、映画化が決定しています。
2作が放送されている2年の間に、リアルロボットアニメの評価はすっかり逆転していました。そこからは1981年『太陽の牙ダグラム』、1983年『聖戦士ダンバイン』など、リアルロボットアニメが続々と制作されるようになります。
『トライダーG7』と『ダイオージャ』は、リアル路線が潮流になる手前の過渡期に生まれた希有な作品でした。曲を聴いただけで、瞬時にアニメの設定がわかってしまうアニメ主題歌史上最高にわかりやすい主題歌と共に、リアルタイムで見ていた子供達の記憶にいつまでも残る作品です。
※本文の一部を修正しました。(2023.7.21 17:05)
(LUIS FIELD)



