『マジンガーZ』「ジェットスクランダー」TV初登場から半世紀 紅の翼はロボットアニメに影響
後の作品群にも大きな影響

ジェットスクランダーと聞くと、筆者はまず専用歌「空飛ぶマジンガーZ」が真っ先に思い浮かびます。水木一郎さんの「3,2,1,ゼロ!発射!!」というカウントダウンを思わせるイントロがワクワクする曲でした。その知名度の高さは、劇場版のエンディング曲やオープニング曲にも使われたことで立証されています。
このスクランダーの先駆的なところは、マジンガーZのシルエット自体を大きく変えた点にあるかもしれません。たとえば同じように後付けで飛行能力を持った鉄人28号はロケットを背中に取り付けただけで大きくデザインを変えませんでした。マジンガーZは背中に飛行機のような翼を付けてシルエットを変え、腹部に菱形状の装甲を加えた点が大きく異なります。
マジンガーZのスクランダーのパターンは、後のロボットアニメなどでも物語途中に現れた強敵への対抗策として取り入れられることになりました。しかし多くは内蔵火器の強化にとどまり、パワーアップパーツという点で受け継がれた作品はそれほど多くありません。
あえて言うならば、後の追加装甲によるフルアーマー化の先駆的な部分があります。このコンセプトがいわゆる2号ロボとの「グレート合体」につながるわけですから、スクランダーがどれだけ画期的な発明で、後発の巨大ロボット作品に影響を与えたかがわかるでしょう。
さらに、このスクランダーが現在のように、オモチャメーカーから出されたアイデアでないことも特筆する点です。あくまでも作品内のドラマを盛り上げるための小道具でした。ところがスクランダーの人気は絶大で、通常の姿のマジンガーZよりもスクランダー装備の方がカッコいいと思う子供の方が多かったと思います。
そういったところから、前述のジャンボマシンダーでも追加商品としてスクランダーが発売されました。超合金も同様で、初期はスクランダーなしの状態で販売されたものを、すぐにスクランダーを付属して販売します。
このスクランダーのような作品途中から登場した装備のオモチャ化というのが当たり前になっていくのは、玩具メーカーが商品展開によって作品のストーリーに口を挟むようになって以降の話です。この当時は、ようやく玩具メーカーがスポンサーの中心になっていく過渡期でした。
もっともそういった点ではオモチャ先行で販売されたジャンボマシンダー用装備「重戦車Z」が、スポンサーのポピーからの要請でアニメに登場したことがあります。当時はスポンサーと製作の連携はこの程度のものでした。
そういった点では、現在のように玩具メーカーからの作品への影響力はそれほど強くなく、作品製作スタッフの自由度が高かった時代ゆえに生まれたのがスクランダーだったのでしょう。そして、何よりも子供心にカッコいいと思わせるデザインだったことが最大のポイントだったと思います。
(加々美利治)