強敵「シン」と手下たちの功績は絶大? 読者を『北斗の拳』世界に引き込んだ悪役たち
物語世界をわかりやすく体現していたKING軍の幹部たち

モヒカンがトレードマークのスペードは屈強な肉体を誇っていましたが、ケンシロウに「ハゲ」呼ばわりされながら「北斗残悔拳」であっさり葬り去られました。バットにも「こんなスペード野郎」呼ばわりされるほどの小物でしたが、考えにも言葉にも一切、深みのない男がこれだけ威張り散らすことができる核戦争後の世界に戦慄させられたものです。この後、ケンシロウに一蹴される「くまどりやろう」ことダイヤ、「弱いカマキリ」ことクラブも、スペードと同類でした。
巨漢のハートは、他のKING軍の幹部たちとは一味違いました。表向きこそ柔和ですが、自分の血を見ると正気を失って瞬時に殺人鬼になるという困った性分の持ち主で、「いてえよ~!!」とシンプルきわまりない言葉を吐きながら、自分の部下たちまでも皆殺しにしてしまいます。まさに「狂乱の殺人者」です。
外部からの衝撃をすべて柔らかく包み込んでしまう特異体質の持ち主で、ついた異名が「拳法殺し」、ケンシロウが思わず「ブタ」と呼んでしまう極度に肥満した肉体は、あらゆる拳による衝撃を無効化してしまいます。登場以来、連戦戦勝だったケンシロウが初めて(一瞬だけ)苦戦しましたが、拳を連打する「北斗柔斬斬」で爆散させられました。北斗神拳の無敵ぶりをあらためて印象づけた相手がハートだったと言えるでしょう。「ひでぶっ!!」という『北斗の拳』を代表するオノマトペを初めて生み出した男であることも記憶にとどめておきたいものです。



