『北斗の拳』の死兆星は実在する? 逆に「見えなくなると死が近い」の説も
レイ、トキ、マミア、ラオウ……『北斗の拳』の主要人物たちが見てきた「死兆星」のモデルは、実在の星であり、作中同様、北斗七星のすぐそばにありました。そしてあなたにも「死兆星」が見えるはず……?
漢(おとこ)たちは死兆星を見ても懸命に生きたが…?

『北斗の拳』で、どんな強者も恐れおののくのが「死兆星(しちょうせい)」の存在です。見えた者の死期を予告する、まさしく死の星です。あの「ラオウ」でさえ、頭上に輝くこの星が見えたときは愕然とするほどでした。
作中で、別名「輔星(ほせい)」、「蒼星」などとも呼ばれていた「死兆星」ですが、これは架空の星ではなく、モデルが実際にあります。つまり、読者の皆さんもすでに「死兆星」を見ているはずなのです。
その星は、マンガで描かれたそのまんまの場所にあります。北斗七星(おおぐま座の尾の部分)は、柄杓(ひしゃく)の形をしていますが、柄の方から数えて2番目の星「ミザール」の脇に光る「アルコル」という星があります。この「アルコル」が「死兆星」のモデルとされています。
「アルコル」は4等星の明るさがあり、視力のいい人なら肉眼でハッキリ見えます。古代アラビアなどでは、兵士徴用の視力試験に使われ、「ミザール」と「アルコル」が分かれて見えれば合格だったそうです。つまり、見えたら兵士となり戦死するかもしれない、と考えれば、「死兆星」とイメージがマッチします。
日本でも、ある地域(一説では中国地方)では、歳をとると視力が落ちて、この星が見えなくなるため、「寿命星」と呼ばれたそうです。これは作品の設定とは逆で、「アルコル」が見えなくなると死が近い、ということになります。いずれにしろ、不吉なイメージがつきまとう星です。
必ず死ぬと決まったわけではない?
ちなみに、「死兆星」を見たキャラクターは、必ず死ぬとは限りません。北斗神拳には、「互角の拳を持つ強者相戦うとき、その両者の頭上に死兆星輝く」という言い伝えがあり、「トキ」対「ラオウ」の、約束の地での決戦では、双方が死兆星を見ています。おそらく勝利したラオウからは死兆星が消えていると思われます。また、「マミヤ」も死兆星を見ていますが、作中の描写を見る限り、「レイ」が勝利した「ユダ」との戦いの後、少なくとも数年は生きています。
『北斗の拳』は、2026年に新作アニメが放送・配信になることが決定しています。これまでのマンガ・アニメのなかで、主人公「ケンシロウ」は死兆星を見ていませんが、もしかしたら重要なワードとして使われるかもしれません。
(石原久稔)

