「原作読んでてもトラウマ」「覚悟を感じる」 好評を得たエグい実写化「R指定」作品
マンガの実写化作品は原作ファンにとって、その世界観をしっかり再現しているかどうかが重要なポイントになるでしょう。特に過激な描写が多い作品であればあるほど、再現度の難易度は増していきます。今回はR指定ながらも、原作ファンから認められた3作品を振り返りましょう。
目に釘を刺すシーンも完全再現!実写の方が「リアルで怖い」?

人気マンガの実写化は毎年多数作られており、公開前の制作発表の段階でも、原作ファンから賛否の声が多数巻き起こります。いろんなポイントがありますが、青年向けマンガならではの、グロ、エロ、ゴアシーンの描写再現も、作品の善し悪しを決める大きなポイントではないでしょうか。今回は衝撃的なシーンを忠実に再現し、原作ファンからも高評価を集めた「R指定」の作品を振り返ります。
●『宮本から君へ』
サラリーマン・宮本浩に焦点をあてた90年代のマンガ『宮本から君へ』(原作:新井英樹 R15指定)は、ドラマシリーズを経て、2019年にR指定作品として実写映画化されています。『宮本から君へ』の終盤は過激な描写が連続しており、ドラマでは描かれずファンの間でも「さすがにあそこは映像化できないか」などの声もありました。
しかし、R15指定の映画『宮本から君へ』では、宮本(演:池松壮亮)と、ヒロインの中野靖子(演:蒼井優)の恋愛を軸に、原作通りの衝撃展開が描かれています。役作りで33キロ増量した悪役・真淵拓馬を演じた一ノ瀬ワタルさんら、実力派のキャストの熱演も話題となりました。
同作は好評を集め、ネットのレビューを見ても「原作の登場人物の暑苦しさも完全に再現されていた」「最初から最後までトップスピードで面白い」「暴力も性描写も逃げずに描いてて覚悟を感じる」など賞賛の声があがっています。その一方で、性暴力描写に関しては、「胸糞すぎて見るに耐えなかった」といった本作の再現度が高いがゆえのコメントも見受けられました。
●『ミスミソウ』
東京から転校してきた女子中学生が受けるいじめをきっかけに、スリリングで衝撃的な復讐劇が巻き起こる『ミスミソウ』(原作:押切蓮介)は、強烈なシーンの数々と、救いのない物語で、見る人を選ぶ作品です。
まず原作の描写をなるべく再現した暴力シーンが強烈で、目に釘が刺さるシーンや、除雪車に人が巻き込まれるシーンなども多く登場します。大人しかった主人公の野咲春花(演:山田杏奈)が豹変し、過去にいじめたクラスメイトを次々と殺していく姿に目を背けたくなった人も多いのではないでしょうか。
特に、雪が降る山のなかで春花がいじめっ子たちをひとりずつ、淡々と撲殺するシーンは原作にも引けを取らない衝撃的な描写になっています。
実写化されたことで色彩が加わり、赤い血と白い雪のコントラストが、なんともいえない不気味さ、美しさを演出していました。2018年の公開から「グロいけど内容がかなりおもしろいし、なぜか最後さわやか」「山田杏奈の目の演技凄い」「原作とは違うラストも切なくて好き」など、根強い支持を受けています。