アナハイムが「ガンダム」を開発するワケ 連邦の秘密兵器はなぜ民間企業に託された?
なぜ連邦はアナハイムに「ガンダム」開発を任せたのか?

連邦がアナハイムに「ガンダム」開発を任せた、考えられる理由のひとつは、「地球連邦政府にお金がなかったこと」が考えられるでしょう。「一年戦争」は甚大な被害を出しており、ジオン残党が脅威といっても、「新型ガンダムとその母艦」の開発にかかるであろう莫大な予算や人員を、連邦単独でまかなうことは難しかったのではないでしょうか。
もうひとつは「アナハイムを監視するいい口実となる」ということが挙げられます。「ガンダム」開発計画である以上、連邦側から多くの人員や資料がアナハイムに送られます。それらは、ジオニック社(とハービック社)を吸収したアナハイムが、ジオン側と癒着していないかチェックする役目も負っていたのでしょう。
そして、アナハイムがプレゼンテーションしてきた、「新型ガンダム」の性能は、連邦軍単独で開発した「ガンダム」タイプのMS(例えば「ガンダムNT-1 アレックス」)と比較しても優位性が認められた、という辺りもあるのだと思われます。
また「アナハイムを無視してのシステム開発が難しい」という現実もあったのでしょう。アニメ『機動戦士ガンダム0080』の中で、ジオン公国軍のパイロット「バーニィ」は、撃墜された連邦軍の量産型MS「ジム」の部品で、ジオン公国軍の同じく量産型MS「ザクII」を修理していました。両者の使用部品にはある程度の互換性があるということですし、両軍のMSを含めて、この時代で量産される工業製品に「化粧品からスペース・コロニーまで手掛ける」巨大企業アナハイムの規格や製品が関わっていないとは考えられません。
ただこうした利点を考えても、連邦にとってアナハイムに「ガンダム」の開発をさせることは、安全保障上のリスクが大きいことではあります。
そうした理由からか、ティターンズは宇宙世紀0085年に「連邦系技術者だけで、新型『ガンダム』を開発する計画」を立て、それが「ガンダムMk-II」となります。
この「ガンダムMk-II」は、恐らくは『機動戦士ガンダム0083』に登場した各種試作ガンダムの開発データもフィードバックされているのでしょう。アナハイムから技術を取得できることは「アナハイムと組んだメリット」であるけれども、安全保障上、自主開発したいということだと思われます。
なお、開発者であるカミーユの父「フランクリン・ビダン」は「ガンダムMk-II」の性能に満足しておらず、アナハイムの技術で「γ(ガンマ)ガンダム」として作られた「リック・ディアス」に強い興味を示していました。実際、「ガンダムMk-II」の性能は、同時期に木星帰りの天才である「シロッコ」が設計した可変MS「メッサーラ」と比べてもかなり劣っていましたから、「連邦系だけの技術」でのMS開発には限度があると、現場では認識していたのでしょう。
それが、ジオン系MSにしか見えない外見の「マラサイ」を、ジオン狩り部隊であるティターンズが新鋭機として導入するという、不思議な事象に繋がったのかもしれません。
(安藤昌季)








