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「ガンダム」世界の「死の商人」アナハイム・エレクトロニクスはなぜ必要とされたのか

連邦に潰されなかった理由

『UC』の時代の社章はこんな感じ。「STRICT-G『機動戦士ガンダムUC』ピンズ アナハイム・エレクトロニクス」(バンダイ) (C)創通・サンライズ
『UC』の時代の社章はこんな感じ。「STRICT-G『機動戦士ガンダムUC』ピンズ アナハイム・エレクトロニクス」(バンダイ) (C)創通・サンライズ

 地球連邦に反旗を翻す勢力のMS開発にまで手を貸すアナハイム・エレクトロニクスが、地球連邦に潰されなかった理由は複数考えられます。ひとつは同社の大株主がビスト財団だったことです。

 前述のように、ビスト財団はラプラスの箱を所持しており、地球連邦を脅迫しつつ癒着関係を築きました。ビスト財団、ひいてはアナハイム・エレクトロニクスに手を出せなかったのは当然だといえます。

 また『機動戦士ガンダム ANAHEIM RECORD』(著:近藤和久/原作:矢立肇・富野由悠季 /KADOKAWA)第1巻の巻末に掲載されている資料によれば、アナハイム・エレクトロニクスの社長である「メラニー・ヒュー・カーバイン」は士官学校時代に、ティターンズの創始者である「ジャミトフ・ハイマン」と同期だったとのことです。『Zガンダム』の時代にエゥーゴとティターンズの両方にMSを供与していたのもうなずけますね。トップ同士に面識があったので、決定的に排斥されることがなかったのでしょう。

●「ガンダム」ワールドにリアリティを与える軍事・歴史要素

 今では巨大な世界を形作っている「ガンダム」ワールドですが、『機動戦士ガンダム』のTV放送中は、アナハイム・エレクトロニクスに代表されるMSメーカーなどの周辺情報は限られていました。

『機動戦士ガンダム』の世界観が分厚くなったのは、TVアニメ放送終了後の「MSV(MOBILE SUIT VARIATION)」の企画からでしょう。同企画においては実に多くの、細々とした設定がなされていきました。

 アニメで登場していないMSを存在させるためには、説得力ある理由が必要です。そこにリアリティを付与するためにミリタリー(軍事)の要素が入り込んできます。戦車や戦闘機、軍艦など実在の兵器を考察する手法が、フィクションの「ガンダム」に取り入れられたのです。

 合わせて、作中に登場する「経緯」を語るための歴史分析的な要素も欠かせません。こうしてメインストーリーを補完する形で、アナハイム・エレクトロニクスに代表される各種設定が必要とされ、創造されたと思われます。

「ガンダム」ワールドに感じるリアリティや生々しさは、リアルの戦争に由来する要素を取り込んでいるからだと言えるでしょう。

(レトロ@長谷部 耕平)

【画像】ネタバレ注意! こちらがアナハイムを躍進させた「ラプラスの箱」です(4枚)

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