流行がタイムリープ→異世界転生へ 人間の「欲深さ」で変化も?
タイムリープと異世界転生の共通点とは

●時をかける少女
現代日本におけるタイムリープ作品の草分けともいえるのが、1965年に連載が始まった筒井康隆先生による『時をかける少女』です。本作は複数回にわたって映像化されており、細田守監督による2006年のアニメ版を含めて、それぞれ細部や舞台設定が原作と異なります。
しかしどの作品も、思春期の少女が偶然手に入れたタイムリープ能力によって、起きてしまった事故をなかったことにしたり、葛藤したりする点は共通しています。青春と時間の貴重さ、希望の予感を力強く描いており、半世紀にわたって愛され続けるのも納得ですね。
●タイムリープは異世界転生と同じ願望?
数あるタイムリープ作品からわずか3作品だけを紹介しましたが、どの作品にも共通しているのは「すでに起きてしまった好ましくない出来事を改変する」という点です。作品ごとにタイムリープする動機や過去改変のルールが異なっていますが、結果を変えたいという動機は共通しています。これは人類普遍の願望であるため、強力なテーマになります。
そしてこの願望を更に先鋭化させたものが、昨今流行している異世界転生系作品ではないでしょうか。タイムリープ作品は事故や恋人など、変えたい問題が明確です。裏を返せば、その問題さえなければうまくいくという希望があります。
しかし自分自身や社会が問題だと感じた場合、どこを改変するべきか、どの時点まで戻れば希望のある未来に到達できるのか明確になりません。しかも未来に希望を感じられないので、確定した結果が欲しいのです。
だから世界を丸ごと改変し、場合によっては自分自身すら別人となるアイデアとして異世界転生が選ばれ、流行っているのではないでしょうか。しかも管見の限りにおいて異世界転生系作品はタイムリープ作品よりもはるかに数多く、しかも現在進行系で増え続けています。異世界転生作品の多さは「やり直し」を希求する声の反映なのかもしれません。
(レトロ@長谷部 耕平)




