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背景にあの巨匠も? 『タイガーセブン』『風雲ライオン丸』はなぜ特撮のお約束を破ったのか

『風雲ライオン丸』『鉄人タイガーセブン』といえば、変身ヒーローものの枠を飛び越え、子供たちにトラウマを植え付けた回を連発した作品として知られています。メインライターは、リアルな作風で知られる『北の国から』などの倉本聰さんの直弟子でした。

変身ヒーローの「型」にケンカを売った脚本家?

「快傑/風雲ライオン丸 ピー・プロ70'sヒーロー列伝2」(ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ)
「快傑/風雲ライオン丸 ピー・プロ70'sヒーロー列伝2」(ソニ-・ミュ-ジックソリュ-ションズ)

『風雲ライオン丸』と『鉄人タイガーセブン』といえば、「『戦いになるといつも逃げている』と仲間から非難される」「悪との戦いのなかで子供が巻き添えになる」「主人公が戦いに嫌気がさして逃亡」など、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』といった変身ヒーローものの暗黙のルール、「お約束」から外れた作品です。

 その2作のメインライターを務めたのは高際和雄さんで、彼の師匠は『北の国から』『前略おふくろ様』などを手がけた、巨匠脚本家の倉本聰さんでした。『風雲ライオン丸』や『タイガーセブン』のやりきれない展開は、リアルな作風で知られる倉本さんの大きな影響があったようです。

 倉本さんの作風は『北の国から』に代表されるように、決して予定調和に流されず、ときにはキャラクターが苦い挫折を味わい、まるで登場人物が実在しているかのようなリアリティがあります。多くの視聴者の胸に刺さる名作ドラマが生まれたのは、ご存じの通りです。

 高際さんは、倉本さんの口述筆記を担当し、彼の作劇術をごく間近で見ていました。その倉本さんの影響を受けたであろう高際さんは、その手法を特撮ヒーローものに持ち込んだのでしょう。

 書籍「快傑/風雲ライオン丸 ピー・プロ70’sヒーロー列伝2」の高際さんのインタビューによると、彼は子供の頃から街頭テレビの力道山のプロレス生中継で、「放送時間内」に空手チョップで勝負が決まることに疑問に思っていたそうで、それが従来通りではないヒーローの描き方につながったようです。さらに特撮ドラマの「お約束」で触れられない部分を描いた理由に関しても、以下のようにコメントしています。

「意識的に『裏っ側』を引っ張り出そうっていうのがあったんですよ。『なんで約束事で全部チャラにしちゃってんだ?』っていうのがありました。変身ものの『約束事』みたいなものがあるじゃないですか? 『どうして触れないんだろう?』と」

 高際さんの考えに共鳴したのが、『風雲ライオン丸』『鉄人タイガーセブン』のメイン監督だった大塚完爾さんで、「僕の回はあの方がよく書いてくれました。すごく人間ドラマっぽい作品が多かったですね。僕としては子供向け、大人向けという区別はなくて、ドラマを見せるということでは同じなんですよ」(同インタビューより)と語っています。

【画像】え…っ? 大物!こちらが「お約束」を破った『風雲ライオン丸』『鉄人タイガーセブン』にも影響を与えた巨匠です(3枚)

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