やはり「ハマーンはシャアにガチ恋」でいいの? 『Z』本編と『C.D.A.』で答え合わせ
『機動戦士Zガンダム』で初めて登場したハマーン・カーンには、シャア・アズナブルにベタ惚れだったと思われる描写がしばしば見られます。ふたりの関係はどんなものだったのでしょうか?
ハマーンはシャアと共に歩みたかった

『機動戦士Zガンダム』で初めて登場した「ハマーン・カーン」は、「シャア・アズナブル」との仲睦まじい写真が登場するなど、かつて良好な関係にあったことが示唆されていました。しかし本編では具体的な間柄は明かされず、「ハマーンが一方的にシャアにべた惚れしていたのではないか?」と思われる描写に留まりました。ふたりの関係はどんなものだったのでしょうか。
『Z』最終話「宇宙(そら)を駆ける」でのコロニーレーザーを巡る激しい戦いのなか、ハマーンは「クワトロ・バジーナ」ことシャア・アズナブルと廃棄された軍艦のなかで交戦し、撃墜寸前まで追い詰めます。ハマーンがとどめを刺そうとしたそのとき、シャアはバルカン砲で廃艦の生きている回路らしき部分を攻撃し、爆発の誘発に成功しますがそのまま巻き込まれ、姿を消しました。
脱出に成功したハマーンは、爆風のなかで消滅していく廃艦を見つめながら、わずかに哀しさをこらえるように、「シャア……私と来てくれれば……」とつぶやいています。
それまでも、シャアとハマーンが何か特別な関係にあることは、作中でたびたび描写されていました。しかし、何度かあったふたりのやり取りにおいて、シャアがハマーンに向ける視線と言葉は冷たいものばかりでした。
逆にハマーンがシャアに向けるそれは執着を感じるものが多く、上述した最終話におけるコロニーレーザー内での戦闘シーンでは、シャアに対し「もしも、私の元へ戻る意志があるのならば」と呼びかけています。さらに劇場へ場所を移した「パプティマス・シロッコ」を交えての三者の会話シーンでは、「世界のことをともに考えよう」と語りかけており、シャアに対し大きな未練を抱えているのが分かります。
しかしながら、ふたりの過去が本編中で具体的に語られることはなく、第47話「宇宙の渦」でハマーンとカミーユがニュータイプ同士の共振を起こした際に、「ハマーンがシャアの肩に手を置いて微笑んでいる写真を思い出す」程度の描写に留まりました。なおこの後の戦闘でハマーンはカミーユに対し「恥を知れ! 俗物!」とキレています。こんな記憶を見られたら、相手を殺したくなるのは当然といえるでしょう。