「ガンダム」シリーズの「木星帰り」は何を意味するの? それだけで一目置かれるワケ
たった1話で戦死したシャリア・ブルとトップに上りつめたシロッコ

●木星から帰還早々パイロットとして期待されてしまったシャリア・ブル
かつて、木星開発事業団の職員は連邦の構成員やジオン公国民など、垣根なく木星に送り込まれていました。
しかし連邦は、ジオン側への経済制裁の一環として、軍事利用されるヘリウム3を禁輸とします。そこで、ジオン側は独自に木星船団を組織し派遣するようになり、そのキャプテンのひとりがシャリア・ブル大尉でした。
一年戦争末期、シャリア・ブルは木星からジオン公国に帰還すると、「ギレン・ザビ」総帥と謁見します。ギレンは彼のニュータイプの素養を認め、「キシリア・ザビ」の下でモビルアーマー(MA)を用意したので戦ってほしいと命じました。
またキシリアは「木星帰りの男か、ララァよりニュータイプとしては期待がもてるかもしれない」と、MA「エルメス」を託すことも視野に入れるほどの展望をもっていました。
人員が枯渇してきた時期だったとはいえ、ギレンやキシリアは「木星帰り」のキャプテンに大きな期待を寄せていたことがうかがえます。
●船団キャプテンからティターンズを乗っ取った男 パプテマス・シロッコ
一年戦争後、戦略物資としてヘリウム3を重要視した連邦軍は、船団に連邦軍所属の船を加え、キャプテンには連邦軍人を起用するようになりました。そのキャプテンのひとりがシロッコです。
『Zガンダム』での初登場時には、着艦した巡洋艦「ハリオ」の艦長をタメ口で言い負かし、これに対して艦長は「なんであんな木星帰りの男を大佐(バスク・オム)は……」と苦々しくこぼしています。巡洋艦の艦長ですから、相応の敬意を払われてよい立場のはずであり、やはりこれは木星帰りという実績に対する、敬意や畏怖の表れといえるでしょう。
それほどまでに「木星帰り」の肩書は強力で、結果としてシロッコはティターンズの創設者、ジャミトフ・ハイマンを謀殺し、実質的指導者にまで上りつめました。
ちなみに、シロッコが艦長を務めた「ジュピトリス」はヘリウム輸送艦で、全長2kmもあり、「ホワイトベース」の262m(異説250m)、「ドロス」の495mと比較しても圧倒的に巨大艦です。船体中央にある円柱状の20基のタンクでヘリウム3を運搬します。
ここまで、「木星帰り」の活躍を見てきましたが、『機動戦士ガンダムZZ』では、物語で戦果をあげた主人公の「ジュドー・アーシタ」と「ルー・ルカ」が、最終回で木星へ旅立ちます。
この事例を見るかぎり、木星へ派遣される人物は、相当な実力と強メンタルをもった優秀な人物でないと務まらないようです。
(南城与右衛門)








