『ガンダム』ブライトは薄氷の勝利だった? WB最モテ女子「ミライ」をめぐる四角関係
『機動先生ガンダム』に登場したミライはおふくろさんのように親しまれる一方、恋多き女性でもありました。最終的にブライトと結婚しましたが、もしスレッガーが生きていたらどうなっていたのでしょうか。
カムランはあっさり振り切った
『機動戦士ガンダム』でしばしば描かれるのが、人と人の心が触れ合ったときに起こる悲劇です。「アムロ・レイ」と「ララァ・スン」の出会いはララァの死という結果となり、「シャア・アズナブル」とアムロの心に決して消えない傷を生みました。
ほかにも「カイ・シデン」と「ミハル・ラトキエ」の悲劇など、恋愛関係に至らずとも戦争という過酷な状況下での人間性や選択、成長は重要なストーリーラインのひとつとなっており、「ミライ・ヤシマ」の恋愛もまた、例外ではありませんでした。
ミライと「ブライト・ノア」は、物語の最序盤、サイド7の脱出時に知り合ってからの付き合いとなります。そして物語序盤から中盤にかけてふたりの関係には、特に恋愛要素は見られません。ブライトが体調を崩した際にはミライに代理艦長を頼むなど、ともに生き延びようとする戦友としての信頼感の方が前面に出ていたように思えます。
ふたりの関係が大きく変化したのは、ジャブローでホワイトベースに加わった新たなクルー「スレッガー・ロウ」からミライへのアプローチが始まったことと、かつてミライの婚約者であった「カムラン・ブルーム」の登場からです。
シャアが座乗する機動巡洋艦「ザンジバル」による追撃を避けるため、中立コロニーであるサイド6に入港したホワイトベースは臨検を受けることになりました。その際に監察官として現れたのがカムランだったのです。ミライも当初は再会を喜び、腰に手を当てられ、寄り添われても嫌がるそぶりを見せていません。対してブライトはこの様子を少し疎ましげに見ており、ここでブライトがミライに対し好意を寄せていることが明らかとなるのです。
しかしカムランのアプローチはうまくいきませんでした。どこか戦争を他人事ととらえているカムランに対し、ミライは「リュウ・ホセイ」をはじめとする多くの仲間を失いながら戦い続けてきた戦士でもあるのです。どこまでも父親の力を頼むしかないカムランを見て、あまりにも頼りなく感じるのは当然といえるでしょう。