「石像」「ぬいぐるみ」の演出ゲロ怖… 衝撃すぎたトラウマアニメ映画
基本的には家族で気軽に観られるはずのアニメ映画ですが、作品によっては大人でも「怖過ぎて一旦再生を止めた」「グロがダメな人は避けるべき」という声も聞かれます。何がトラウマになるか分からないものの、人によっては何日も引きずりかねない作品にはどのようなものがあるのでしょうか。
ドラえもんもミッキーもトラウマ作品が?
近年、日本で公開される映画の興行成績上位はアニメ映画が占める傾向にあります。それだけ多くの人たちが鑑賞し、また熱心なファンは何回も観に行っているアニメ映画ですが、作品によっては大人もゾッとする恐ろしい描写が登場することも少なくありません。
●『ドラえもん のび太の魔界大冒険』
毎年春頃に公開され、大ヒットを記録する劇場版アニメ『ドラえもん』は、昔は何かとトラウマになるような描写も少なくありませんでした。
その筆頭として挙げられるのが、1984年に公開された『ドラえもん のび太の魔界大冒険』です。「ドラえもん」のひみつ道具「もしもボックス」によって、魔法が科学文明に取って代わった文明の利器になったパラレルワールドを舞台にした同作には、冒頭でドラえもんと「のび太」の形をした石像が発見されるという不気味な展開があります。
さらに「何故このような形なのか」「誰が何の目的で作ったのか」が明らかにならないまま、呻き声をあげたり、ひとりでに移動したりしている石像にのび太だけが違和感を持っているのも、子供にとってはなかなかの恐怖シーンと言えるでしょう。
そして物語が進むと、今作の敵である「大魔王デマオン」から命からがら逃げ出したドラえもんとのび太が、「タイムマシン」で過去に戻るも、追ってきたデマオンの手下「メジューサ」に石化させられてしまいます。特に、くすんだ灰色の肌で痩せこけた顔、正気のない赤い目に蛇の形をした髪と恐ろしいビジュアルのメジューサが、のび太勉強机の引き出しから這い出てくる場面は、子供に強烈なトラウマを与えました。
なお、2007年に公開されたリメイク作品『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い』では、メジューサがより人間らしいデザインに変更されているため、トラウマ要素は大きく軽減されたのではないでしょうか。
●『ミッキーのアルバイトは危機一髪』
老若男女に愛されるディズニー映画にも、トラウマレベルの恐怖を与えた作品が存在します。そのひとつ、1995年に公開された『ミッキーのアルバイトは危機一髪』は、わずか10分にも満たない短編作品ながら、ブラックユーモアたっぷりの描写が多い怪作です。
ストーリーは、「ミッキー」がテレビゲームに熱中するあまり、「ミニー」とのデートの約束をすっぽかしてしまうところから始まります。埋め合わせの海外旅行に向け、旅費を稼ごうと考えたミッキーは怪しげなアルバイトに申し込むことにしました。しかし、そこで「フランクノリー博士」というマッドサイエンティストによって、ミッキーは凶暴な怪物「ジュリアス」と脳みそを入れ替えられてしまうのです。
ミッキーといえばみんなの人気者でかわいらしいデザインでおなじみですが、今作のミッキーは冒頭から目の下にクマを作りながら不眠不休でゲームをしているほか、人格が入れ替わってしまった後のミッキーは鋭い牙と血走った目を持つ凶暴なビジュアルに変貌しています。子供が観たらトラウマレベルの「ジュリアスミッキー」ですが、普段のミッキーにはないワイルドさがあるためか、フィギュアやTシャツは今なお人気を集めているようです。
また、フランクノリー博士による実験のシーンでは、脳みそが耳まで詰まっているミッキーの頭の内部が、ユーモアを交えながらも生々しく描かれており、こちらの場面も子供であればトラウマになってしまうことでしょう。筆者自身も幼少期にうっかり観てしまったことから、しばらくミッキーをまともに見られない時期がありました。