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興収伸び悩み、賛否バックリの実写『アンダーニンジャ』 賛派の「福田雄一作品のなかではマシ」意見は本当か?

映画『アンダーニンジャ』のいちばんのトピックは、福田雄一監督作であることです。興行が伸び悩んでいるといわれる根拠や、今回は福田監督が苦手な方からも好意的な感想が届く理由などを記してみます。

原作のシチュエーションを福田監督流にアレンジしたギャグもある

実写映画『アンダーニンジャ』キービジュアル (C)花沢健吾/講談社 (C)2025「アンダーニンジャ」製作委員会
実写映画『アンダーニンジャ』キービジュアル (C)花沢健吾/講談社 (C)2025「アンダーニンジャ」製作委員会

 現在公開中の花沢健吾さんによるマンガを実写映画化した『アンダーニンジャ』の興行収入は、スロースタートといわれており、観た人の感想は「いいところも悪いところもある」両論併記なものが多い印象です。それには複数の理由がありますが、やはり本作が「福田雄一さんの監督作であること」を抜きには語れないでしょう。

●そもそも興行収入が苦戦気味なのは本当?

 そもそも『アンダーニンジャ』は、大コケしているわけではありません。初日から3日間で興行収入は約2億2600万円を記録、10日間では4億7000万を超えています。同じく山崎賢人さんの主演作では累計約11億円の『陰陽師0』に近いペースであり、映画のヒットの基準といえる10億円を超える可能性もあります。

 とはいえ、福田監督は何しろヒットメイカーであり、『今日から俺は!!劇場版』は累計約53.7億円、『新解釈・三國志』は約40.3億円と、コロナ禍での公開でも大ヒット作を送り出していました。さらに、山崎さん主演のマンガ原作の映画『キングダム』シリーズは4作すべてが50億円超えであるので、それらと比べて数字が伸び悩んでいると感じる方が多いのではないでしょうか。

 また、近年の福田監督作の『ブラックナイトパレード』の興行収入は7億円を少し超えたくらい、『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』は現在8億円ほどになっています。もちろん映画のターゲット層における原作の知名度や、作品の規模など、単純比較ができない要素は多数あるとはいえ、「福田監督だからといってヒットしないようになってきた」という印象を抱く人は多いでしょうし、その傾向は確かにあると思います。

※以下からは映画『アンダーニンジャ』および『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』の一部内容に触れています

●忍者アクションやクセ強めなキャラの俳優陣は高評価

 そんな福田雄一監督の持ち味のひとつが「TVで観るコント」のような、俳優のアドリブに頼る傾向のあるギャグで、それこそが映画ファンや原作マンガのファンからの酷評が目立ついちばんの理由です。特に直近の『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』は、演者同士だけでなくスタッフまでいじるノリが延々描かれるなどの場面もあり、「豪華キャストの無駄遣い」「身内ノリのつまらない悪ふざけ」「原作ファンは観ない方がいい」などとさんざん叩かれる結果となりました。

 しかしながら、今回の『アンダーニンジャ』に限っては「福田監督作のなかではマシ」「ちゃんとしている」など、「福田監督らしさが気になるけど全体的には楽しめた」というニュアンスの感想が多く出ています。

 その理由の筆頭は、「アクションが面白い」からです。忍術アクションのそれぞれがアクロバティックで、忍者らしい刀や手裏剣も使う手数の多さ、大胆なカメラワークなどその見せ方も秀逸です。本作のMVPは、『シン・仮面ライダー』でもアクション監督を務めた田渕景也さんでしょう。

 さらに、「現代社会にニンジャが潜んでいる」設定および、「加藤」役の間宮祥太朗さん、「鈴木」役の白石麻衣さん、「山田美月」役の山本千尋さん、「蜂谷紫音」役の宮世琉弥さんなど、日常的なシーンでクセ強めなキャラクターにハマった俳優それぞれが、闘いとなればキレキレな動きをするというギャップも楽しめます。敵である「猿田」役の岡山天音さんのサイコパス演技や、「雲隠九郎」役の山崎さんの身のこなしも大きな見どころでした。

 原作からの改変も、「講談高校襲撃」のエピソードをメインに据え、そこに向けて一部のシチュエーションやキャラを微妙に変えつつもタイトに要素を積み上げていく構成は、なかなか理にかなっているものと思えます。やや説明不足な点や、マンガを読んでいないと分からない要素も散見されるものの、原作へのリスペクトも十分に感じられました。

【画像】え…っ?「金髪9年ぶり?」 こちらが浜辺美波さんが可愛すぎる実写『アンダーニンジャ』ヒロインです

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