『グレートマジンガー対ゲッターロボ』が遺したもの 2大スーパーロボット共演50年
今でも語り継がれる元祖スパロボ共演映画『グレートマジンガー対ゲッターロボ』公開から50年の時が経ちました。当時の子供たちを熱狂させただけでなく、後年に与えた影響は大きなものがあったのです。
2大スーパーロボットの共演がwin-winの関係を作ったワケ

本日3月21日は1975年に「東映まんがまつり」の一編として映画『グレートマジンガー対ゲッターロボ』が公開された日です。今年2025年で半世紀の時が経ちました。当時の子供たちを熱狂させ、いまなお大いに語り継がれる本作の魅力を紐解いていきます。
本作は『マジンガーZ対デビルマン』から続く2大ヒーローの共演作品で、いまでいうクロスオーバー作品でした。タイトルに「対」が入っていても、両者の直接対決が描かれているわけではないのは、シリーズのお約束というものです。
もっとも、後のクロスオーバー作品と違って、『グレートマジンガー』の主役「剣鉄也」と、『ゲッターロボ』の主人公たち「ゲッターチーム」の仲は、当初は険悪に描かれていました。そのことを、それぞれの指導者である博士からも叱咤されています。
当時の子供たちのあいだには、「グレートとゲッターどちらが強いのか?」という論争もありました。なぜなら作品が放送終了していた『デビルマン』とは違い、共に人気絶頂のTV放映作品だったからです。そしてこの2作品のコラボレーションには、ある思惑もありました。
それが出版社です。『グレートマジンガー』は講談社、『ゲッターロボ』は小学館が雑誌掲載権を持っていました。この2社はライバル関係にあり、本来であれば看板作品をライバル社の誌面には載せたくないという思いが互いにあったわけです。
しかし、この劇場公開の時期だけは共に雑誌掲載を認めるという処置を取り、グラビアやマンガを掲載することでwin-winの関係となりました。実は2大スーパーロボットの共演は、2大出版社の共闘という側面もあったわけです。
このほかにも本作では、注目すべき共演がありました。それが音楽です。本作のBGMは各TV作品から流用されることで、奇しくも当時の子供たちを熱狂させた2大音楽家といえる、渡辺宙明さんと菊池俊輔さんの共演となりました。
残念なのは、使われた主題歌が『グレートマジンガー』だけで、『ゲッターロボ』の主題歌はメロディだけだった点でしょうか。もしもOP主題歌「ゲッターロボ!」が使われていれば、水木一郎さんとささきいさおさんの共演にもなっていました。
ちなみにツッコミどころとして言及されることの多い点に、グレートマジンガーが全高25m、ゲッターロボ(ゲッター1)は38mとサイズ差があるのに同じくらいに描かれていることが挙げられるでしょう。これは作劇的には仕方なく、以降のシリーズにも引き継がれるお約束のひとつとなりました。