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実写版の「すぐ死ぬキャラ」で話題かっさらった豪華キャスト 「1番おいしい」「何度見ても笑う」 

マンガの実写化では、メインキャラだけでなく、脇のキャストまで気を配り、しっかりと役にあった人を選ぶのが重要です。なかにはまさかの俳優が、「出てきてすぐ死ぬ」役で特大のインパクトを残した例もありました。

「天狗だけは」って何? 笑撃のチョイ役

筧美和子さんプロフィール写真
筧美和子さんプロフィール写真

 マンガの実写化作品では意外なキャラに豪華キャストが起用され、話題になることも多々あります。なかには「出てきてすぐ死ぬ」キャラでインパクトを残し、感動や恐怖、笑いを生んだ俳優もいました。

 2012年から2021年まで映画5作が公開された実写版「るろうに剣心」シリーズ(原作:和月伸宏)は、全体的にキャストが豪華で、特に1作目と4、5作目の回想で登場した、窪田正孝さん演じるキーパーソン「清里明良」が話題を呼んでいます。1作目『るろうに剣心』では、主人公「緋村剣心(演:佐藤健)」が幕末に「人斬り抜刀斎」として幕府の要人暗殺を行っていた過去の場面が描かれました。

 当時、京都見廻組に所属していた明良は、夜道で同僚とともに剣心の襲撃を受けて斬られてしまいますが、婚約者との祝言が決まっていた彼は大切な人のために死ぬわけにはいかないと、何度も立ち上がっては剣心に斬りかかり、最終的に剣心の頬にひと筋の傷を付けます。その傷がずっと治らずに跡になるほどの明良の無念、生への執念を現すために、彼の最期は原作よりもしぶとく描かれました。

 当時20代前半の窪田さんはいまほどの売れっ子ではなかったものの、すでに映画やドラマの主演経験もあった注目の若手俳優で、「こんなチョイ役で?」と驚く声や、熱演を高く評価する意見も出ていました。そして2021年の完結編となる2部作『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』でも、回想で1作目の映像が使われます。ここでようやく、窪田さんが『るろ剣』に出ていたことに気付いた人も多かったようです。

 最終5作目『The Beginning』では剣心の過去が描かれ、明良の婚約者だった「雪代巴(演:有村架純)」が登場します。巴は最初は復讐目的で剣心に近付くも、だんだんと彼に惹かれていきました。そして、最終的に明良の付けた傷の上にさらに刀傷ができ、剣心がおなじみの「十字傷」姿になるまでの悲劇が描かれています。

 短い出番ながら非常に重要な役を務めていた窪田さんの名演が再度絶賛されたほか、「続編作れるか分からなかったのに、当時の窪田正孝を清里明良に採用した監督の先見の明に脱帽」「過去作知らなかったら、有村架純の婚約者設定だから、新たに窪田正孝キャスティングしたようにしか見えないのがすごい」と、ちゃんと先を見通していた制作陣にも驚きの声があがりました。

 また、人気マンガ『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(原作:麻生羽呂/作画:高田康太郎)は、2023年にTVアニメ化に続いてNetflixで実写映画化され、こちらも意外な配役が話題になっています。本作はブラック企業で精神を病んでいた「天童輝(アキラ/演:赤楚衛二)」が、世界がゾンビパンデミックに包まれて文明が崩壊したことで逆に人間らしい生活を取り戻し、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」のリストを作って実行していく、という物語です。

 そのリストには「CA(キャビンアテンダント)さんとコンパをする」という項目もあり、途中でアキラと親友の「竜崎憲一朗(ケンチョ/演:柳俊太郎)」はドン・キホーテに一緒に逃げ込んだふたり組(原作では3人)のCAと、その場で簡易的なコンパを開きます。映画ではCAの「マキ」を筧美和子さん、「レイカ」を中田クルミさんが演じていました。

 コンパは盛り上がり、ケンチョが制服姿のCAふたりにささやかれながら体をさすられる、というドキドキする場面も登場しますが、一緒に逃げ込んでいたバスの運転手(演:ドロンズ石本)がゾンビ化したのをきっかけに、彼女たちもあえなくゾンビ化してしまいます。

 中盤の短い出演ながら、配信開始前に解禁された場面写真でもミニスカートのCA制服姿でゾンビ化した筧さんと中田さんのカットは話題を呼び、本編でも大きなインパクトを残しました。ジャンルとしてはコメディーですが、ゾンビのメイクは本格的で視聴には注意が必要です。そのほか、アキラの会社の社長役の川崎麻世さんや、憧れの先輩「鳳沙織」役の市川由衣さんなど、意外なキャストのゾンビ姿も見られます。

 さらに短い出番では、2024年の映画『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)に続くWOWOWのドラマ『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』第4話に登場した、「男娼」役も衝撃的でした。彼は物語のカギを握る「刺青囚人」のひとりである、殺人鬼「家永カノ(演:桜井ユキ)」の回想にだけ登場します。

 男娼は続く第5話で登場する刺青囚人のヤクザの親分「若山輝一郎(演:渋川清彦)」に買われて、家永が経営する「札幌世界ホテル」に泊まっていました。そして家永は美しい彼の血を求め、捕縛し地下室で拷問します(若山は逃げました)。

 原作の男娼は若山が刺青囚人であることを告げるだけの存在でしたが、ドラマでは家永が持っていた巨大な天狗のお面を見て異様に狼狽し、「その長い鼻で何するつもりだ」「じいちゃんが言ってたんだ 天狗だけはダメだって」と、謎のオリジナルセリフを残しました。

 この男娼を演じたのは、さまざまな作品に出演し、特にミュージカル版『刀剣乱舞』の「岩融(いわとおし)」役で人気を博した俳優の佐伯大地さんです。

 佐伯さんがふんどし一丁で拷問され、謎の「天狗だけは」発言をした場面は放送時大きな反響を呼び、「たしかに美しい男だけど、なぜこんな役を」「何回観ても意味分からんすぎて笑う」「じいちゃん、何を孫に伝えてたの……?」「岩融があのセリフ言ってると思うとたまらん」と、さまざまな反応が相次ぎました。おそらく殺されたこの男娼が、天狗の長い鼻で何をされたのかは不明です。

※柳俊太郎さんの実際の栁の字は「木」偏に「夘」

(LUIS FIELD)

【画像】え…っ? 怖いけど正直「ドキドキもする」 コチラが「ミニスカCAのゾンビ」姿になった筧美和子さんです

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