和田慎二先生の傑作『ピグマリオ』の結末は? 今も「もう一度読みたい」の声続々
マンガ『ピグマリオ』は、和田慎二先生のファンの間で特に記憶に残った名作として、名前があがります。いまでは全巻を揃えるのが難しい同作ですが、最終巻ではどのような結末が描かれたのでしょうか。
因縁を果たした最終決戦が描かれる

マグミクスは、14年前に急逝した漫画家・和田慎二先生の命日となる2025年7月5日に、「『スケバン刑事』の和田慎二先生 急逝から14年 惜しまれる『傀儡師リン』などの未完作」という記事を配信しました。多くのファンが先生の功績や好きな作品などについてコメントを寄せましたが、なかでも「『ピグマリオ』が大好きだった」「『ピグマリオ』がきっかけで和田先生を好きになった」といった声があいつぎいでいます。
ファンの多くが絶賛している『ピグマリオ』は、1978年から「花とゆめ」(白泉社)で連載開始したマンガ作品です。当時の日本では少なかった本格ヒロイック・ファンタジーで、「神話の時代」を舞台にした物語です。TVアニメも1990年から91年にかけて放送されましたが、物語は原作の最後まで描かれていなかったため、今でもリメイクを希望する声があがっています。
原作マンガのクライマックスでは、どのような結末が描かれたのでしょうか。
主人公であるルーン王国の皇子「クルト」の母親「ガラティア」が、宿敵「メデューサ」の手によって石像に変えられてしまいます。母親を救うために旅に出たクルトは、道中で出会った少女「オリエ」とともに困難を乗り越えていきますが、途中でオリエは命を落としてしまうのでした。
最終巻では前巻から引き続き、クルトとメデューサの因縁の対決が描かれます。そして、天界で戦いを見守る神々の口から、タイトルの「ピグマリオ」が、新しい時代を継ぐ「創世王」を意味すると明かされるのです。
クルトがメデューサを討ち果たす戦いのなかで、ガラティアとメデューサは創世王を生み出すひとりの「母なる人」から枝分かれした存在だったと知ります。また、とどめを刺す瞬間にはメデューサが妖魔から人間に変わっていた事実も明かされました。
そして、メデューサを倒して助かるはずだったガラティアの石像は砕け散ってしまい、クルトはガラティアを救えなかったことを悲しみます。もうダメかと思われましたが、人間の彫刻師「バッコス」が作った精巧な石像をもとにガラティアは蘇り、クルトは母親と再会を果たすのです。
悲しみからのハッピーエンドへ
このエピソードは、実在するギリシャ神話の物語『ピグマリオン』をモチーフにしているようで、神話では古代キプロス島の王が象牙の彫像「ガラテア」を愛し、女神「アフロディーテ」が願いを叶え、彫像から人間となってふたりは結ばれています。
クルトは道中で命を失ったオリエを冥界まで行って取り戻し、復活した故郷に帰り、ルーン王国の王位を継承しました。そして、クルトは美しい妃となったオリエとともに暮らし、物語は幕を閉じます。もうひとつのエピローグとして、ガラティアとメデューサに瓜ふたつの姉妹が仲良く暮らす物語も描かれました。同エピソードは、赤ん坊のクルトとオリエが巡り合う形で結ばれます。
『ピグマリオ』は連載当時のコミックスのほか、2001年にはカラーページを復活させた完全版も刊行されました。しかし、いずれも現在では新品で手に入れることが困難なうえ、TVアニメも動画配信サイトでは視聴できません。ファンの間では、「もう一度読みたい」「新装版が出たら揃えたい」「アニメをリメイクしてほしい」といった声が絶えません。
(LUIS FIELD)


