「現実とのギャップが」「気づいたら10年以上」 長期休載人気マンガの気になる今後
さまざまな理由により、「長期休載」となるマンガは少なくありません。ファンとしては早く続きが読みたいと思いつつも、事情を考えると複雑な気持ちになってしまうものです。
連載再開してほしい気持ちがあるのも事実

2021年、『犬夜叉』や『うる星やつら』などの人気作品で知られる漫画家の高橋留美子先生のオフィシャルXアカウントが公開した1日のタイムスケジュールが大きな話題を集めました。
午前中のペン入れ後に家事や食事、読書を行い、夜通し作画を終えた後の睡眠時間はおよそ3時間、2日かけて原稿を作成……という過酷すぎるスケジュールに「ご無理なさらず」「寝てください!」とファンから心配するリプライが殺到しています。
そんな過酷な状況で作品を創作し続ける漫画家のなかには、さまざまな事情から長期休載を余儀なくされるケースも珍しくありません。新作や連載作品の続きを読みたい……と思いつつも、作者を案じるとなかなかそう言えないファンの方も多いでしょう。
●『働きマン』
週刊「JIDAI」の編集部を舞台に、さまざまな働く人びとの姿を描いたマンガ『働きマン』(作:安野モヨコ)は、作者の安野先生が体調不良による休養を発表した2008年より休載となっています。
『働きマン』は2024年に17年ぶりの新刊となる単行本第5巻が発売されましたが、収録されていたのは2007年から2008年に掲載された単行本未収録のエピソードで、完全な新作ではありませんでした。それでも、SNSでは「連載当時といまの価値観の比較もできて興味深かった」「4巻以降は出るのを諦めてたからうれしい」と喜びの声が多く出ています。
安野先生は2012年発売の「日経プレミアPLUS VOL.3」のインタビューで、本作を連載再開する意志はあるものの、現実で厳しい状況におかれている出版業界を変えられるストーリーが見出せないことを明かしました。
安野先生の発言通り、休載した2008年と現在では出版業界をはじめ、人が働く環境も大きく変わっています。今後の社会の変化によっては、本作の連載が再開する可能性も大いにありえるでしょう。
●『GATE 7』
2010年に「ジャンプスクエア」(集英社)で連載が開始されたマンガ『GATE 7』(作:CLAMP)も、2013年から長期休載に入っている作品です。
現代の京都を舞台に、平凡な主人公「高本致佳人 (たかもと ちかひと)」が異形のものたちとの戦いに巻き込まれていく本作は、実在する歴史上の人物をモチーフとしたキャラクターや、幻想的なファンタジーアクションの物語が人気を集めていました。
本作は休載の理由が明らかになっておらず、ファンの間では「休載してからもう12年経つなんて」「私が死ぬまでに完結してくれ」と休載を嘆く声も少なくありません。CLAMP先生は本作以外にも『X』など休載中の作品があり、連載再開へのハードルは高そうです。
2024年より全国を巡回している原画展では、『GATE 7』の原画が展示されているほか、新規のグッズも販売されており、X(旧:Twitter)ではよりいっそう連載再開への思いを募らせた、読者の声も出ていました。
●『きるる KILL ME』
2020年に「少年ジャンプ+」で連載が始まった『きるる KILL ME』は、『プリティフェイス』や『エム×ゼロ』で知られる叶恭弘先生による人気マンガです。
物語は日本屈指の大企業の御曹司「碧音持(あおい ねも)」が、ひと目惚れしたヒロインで殺し屋の「赤海きるる」に会うため、自らの暗殺を依頼するところから始まります。闇社会に生きる殺し屋のきるるが、碧にペースを乱されながら無自覚に色仕掛けをしてしまう……といった叶先生らしいお色気要素もあるラブコメ作品です。
叶先生の作品は美麗な絵柄やかわいい女性キャラに定評がありますが、本人も認めるほどの遅筆ゆえに、これまでの作品も連載期間はあまり長くありません。
本作は2022年に突如休載することが発表され、現在も詳細が分からないまま休載が続いています。SNSでは「こんな終わり方になるのは残念」「もしも連載続いてたらアニメ化してそうなのに惜しい」と連載再開を待ち望む声も多く出ていますが、今後どうなるのでしょうか。
(田中泉)
