『トイ・ストーリー』のホラー版って知ってる? 絶叫が響く、衝撃的なスピンオフ
世界的に人気を誇る『トイ・ストーリー』シリーズにはいくつものスピンオフ作品があります。そのなかにホラー映画があるのを知っていましたか?
真夜中のモーテルで起こる惨劇??

2025年9月12日の「金曜ロードショー」にて、『トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド』が放送されます。『トイ・ストーリー3』公開の後にあたる2014年にテレビスペシャルとして放映された短編作品で、新しい持ち主の少女「ボニー」にもらわれた「ウッディ」「バズ・ライトイヤー」をはじめとするおもちゃの仲間たちの新しい冒険が描かれます。
ところで『トイ・ストーリー』シリーズには、ホラー作品があるのをご存知でしょうか。それが2013年に放映されたテレビスペシャル『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』です。本作は『トイ・ストーリー3』のスピンオフで、カウガール人形の「ジェシー」が主役を務めています。
墓場でバンパイアに襲われて逃げ惑う女性の姿から物語が始まります。はたして女性の運命は……。これはボニーの旅行に同行しているウッディたちが、車のトランクの中で退屈しのぎに観ている映画の一場面でした。
真夜中すぎにウッディたちを乗せた車は、とあるモーテルにたどりつきます。「ミスター・ポテトヘッド」たちはモーテルの部屋を探検しようと荷物の外に出てしまい、ウッディたちも彼らを止めようとして一緒に出ていきます。しかし、ミスター・ポテトヘッドはいつの間にか忽然と姿を消してしまいました。
消えた仲間を探すため、ウッディたちは暗いモーテルのなかをさまよいますが、ひとり、またひとりと姿が消えていきます。ついにウッディとバズ・ライトイヤーも姿を消してしまい、ジェシーはひとりきりになってしまいました。いつもはおてんばのジェシーですが、とあるアクシデントをきっかけに閉所恐怖症のトラウマが蘇ってしまい、ずっとおびえた表情のままです。
逃げ惑うジェシーはバスルームに身を隠しますが、シャワーカーテンの向こうから謎の影が迫ってきます。そして、ついにシャワーカーテンが引き裂かれると、ジェシーの絶叫が響き渡りました。
ここまでは完全にホラー映画風の演出です。ハロウィンの季節にテレビ放映された子供向きの作品なので、本物のホラー作品ではありませんが、小さい子供が観れば十分トラウマになる怖さでしょう。
映画好きが喜ぶポイントもたくさんあります。ジェシーがバスルームで襲われるシーンは、アルフレッド・ヒッチコック監督によるホラー映画の古典的名作『サイコ』のパロディーです。冒頭でウッディたちが観ている白黒のホラー映画は、1930年代から40年代にかけて量産されたユニバーサル・ホラーを彷彿とさせます。また、女性が墓場から家に逃げ込む場面は、ゾンビ映画の古典『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の冒頭部分を意識しているという指摘もありました。
映画に詳しいおもちゃの「ミスター・プリックルパンツ」が、いちいちホラー映画のパターンを説明してくれるのも、映画好きがうれしくなるポイントです。4代目ジェームズ・ボンドとして知られるティモシー・ダルトンが声優を務めています。また、ジェシーがモーテルで出会うおもちゃ、コンバット・カールの声優を『ロッキー』シリーズのアポロ役や『プレデター』で知られるカール・ウェザースが務めています。コンバット・カールは見た目もカール・ウェザースそっくりです。
ホラー映画風の演出だけでなく、アクションとコメディーをたった22分に詰め込んだ『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』は、『トイ・ストーリー』シリーズが好きな人にぜひおすすめしたい傑作です。
(大山くまお)


