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世界で一番良きママさん 『ばけばけ』第1話でオマージュ 「学がない」というトキのモデルに八雲が言った「スバラシ」一言とは

『ばけばけ』トキは自分に「学がない」ことを、第1話でも卑下していたのを覚えていますか。

学があったら生まれなかった本?

『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

 放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』24週119話では、主人公「雨清水トキ(演:高石あかり)」が、夫「雨清水八雲(レフカダ・ヘブン/演:トミー・バストウ)」に、「学のない自分でも読める本」を書いてほしいとリクエストしました。続く120話では、いよいよトキが読める本、『怪談』の執筆が始まる予定です。

 モデルのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と小泉セツの夫婦は、セツが各地の怪談・説話を語り、ハーンが英語の再話文学としてまとめる形で、1904年4月に代表作『怪談』を発表しました。思い返すと『ばけばけ』第1話は、トキが『怪談』のなかでも特に有名な一番最初の収録作『耳なし芳一』の物語を、ヘブンに語っているところから始まっています。

 この第1話では、トキの「学がない」発言に関連するこんなシーンがありました。ヘブンに「たちまち」という日本語の意味を聞かれたトキは、辞書を開き「あっという間にの意味です」と答えました。その後、トキは神妙な表情になり、ヘブンにどうしたのか聞かれると「私にもっと学があればと、うらめしいの顔ですけん」と答えました。

 するとヘブンは彼女を励まし、自分の著作が並ぶ本棚を見せて、「これ、誰のおかげで、生まれましたの本ですか? 学のある人ならば、幽霊の話、お化けの話、みんな、バカらしいのものと、笑うでしょう?」と彼女を励まします。そして、「うらめしいこと、ない。なんぼう、よきママさん。世界で、一番、のママさんです」と、トキのおでこにキスをしました。

 この場面は、120話で再び出てくるかもしれません。トキとヘブンの信頼関係が伝わるシーンです。

 実はハーンとセツも、実際にこのようなやり取りをしていました。目撃したのは、長男の小泉一雄です。

 一雄は著書『父「八雲」を憶う』(1931年)のなかで、セツがたまに「(自分が)女子大学でも卒業した学問のある女だったら、もっともっとお役に立つでしょうに……」と言うと、ハーンは彼女を自分の本を並べた戸棚の前まで連れていき、「斯(こう)、誰のお陰で生まれましたの本ですか? 学問のある女ならば幽霊の話、お化の話、前世の話、皆馬鹿らしのものといって嘲笑うでしょう」と語っていたと振り返っています。

 それから、ハーンは一雄にも「この本皆あなたの良きママさんのおかげで生れましたの本です。なんぼうよきママさん、世界で一番良きママさんです」と言い、それを聞いたセツはかなり照れていたそうです。こういった夫婦のやり取りは、何度かあったといいます。

 セツは小学校下等教育までの成績は優れていたものの、在学中に養父・稲垣金十郎が事業に失敗して借金を作ったせいで11歳で学校をやめ、実父・小泉湊の機織り工場で働き始めました。当時は勉学を続けらず、悔しさで1週間も泣いたそうです。それだけに、上記の夫の言葉はとてもうれしかったと思われます。

※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『父「八雲」を憶う』(千歳出版)

(マグミクス編集部)

【画像】え、「こりゃ可愛いわ」「みんな目鼻立ちキレイすぎ」 コチラが小泉八雲の子供たち(実際は3男1女)の幼少期の姿です

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