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『ばけばけ』では描けない? 小泉八雲の死後、遺産欲しがって「再登場」してきた意外な人物とは

『ばけばけ』最終週では、ついにヘブンがあの世に旅立ちました。史実では、小泉八雲の死後にある人物が遺産を求めて裁判を起こしたそうです。

マーサは現在幸せに暮らしてる?

『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

 連続テレビ小説『ばけばけ』第25週122話では、主人公「雨清水トキ(演:高石あかり)」の隣で、夫「雨清水八雲(レフカダ・ヘブン/演:トミー・バストウ)」が、穏やかに息を引き取っています。まだ3話分の放送があり、ヘブンの死後からどこまでの話が描かれるのか予想が相次ぐなか、SNSでは最近ヘブンがアメリカ時代に結婚していた女性「マーサ(演:ミーシャ・ブルックス)」が再登場するのではないか、という声もあったようです。

『ばけばけ』24週以降、ヘブンの死期が近づくなかで、一部の視聴者からは「史実だとマーサのモデルって裁判起こしてるんだよね?」「これからマーサが再登場してくるのかな」「史実通り、マーサが出てくるのかな?『私もヘブンと結婚した。遺産を』って」といった声も出ていました。

 マーサはヘブンがアメリカのオハイオ州シンシナティの新聞社で働いていた頃に、恋に落ちて結婚した白人と黒人の混血女性です。当時の州法が異人種間の結婚を禁じるなか、ヘブンは周囲の反対を押し切って彼女と夫婦になりますが、そのせいで新聞社をクビになります。そして、自分のせいだと自暴自棄になったマーサは各所で事件を起こすようになり、ふたりは別れることになりました。

 モデルのハーンも1874年頃、同様にアリシア・フォリー(愛称:マティ)という混血の女性と結婚しています。史実だと、当時20歳の彼女にはウイリーという連れ子がいました(父親はスコットランド人)。1872年頃、下宿先でマティと出会ったハーンは、彼女に看病されたことをきっかけに恋仲になったそうです。

 ハーンは『ばけばけ』で描かれた通り州法を破ってマティと結婚し、そのせいで当時勤めていたシンシナティ・インクワイアラー社から、コマーシャル社という給料の安い新聞社に転職する羽目になっています。さらに、マティはハーンにつらく当たって、過剰に金銭を要求するようにもなり、結婚生活は3年ほどで破綻に至りました。

 そして1877年10月にハーンがニューオーリンズに移住した後、シンシナティに残ったマティは、靴職人のクラインタンクという男性と再婚しています。マティはクラインタンクと20年ほど連れ添い、彼の死後は地元の黒人たちのリーダー的存在になった息子・ウイリー夫婦の世話になって、穏やかな晩年を過ごしていました。

 しかし、マティはハーンが1904年9月に東京で亡くなったのを知ると、元妻として遺産を受け取る権利があると主張して1906年に裁判を起こしています。ハーンはベストセラーとなった日本滞在記『知られぬ日本の面影』(1894年)ほか、さまざまな著作で世界的名声を得ていたため、その財産の一部を得たいと思ったのでしょう。

 ただ、当時の婚姻が違法だったことや、記録の火災での焼失などを理由に、マティは相続権を認められず敗訴します。ハーンの遺産は妻の小泉セツや子供たちに渡り、その後、マティは1913年11月に59歳で死去しました。

『ばけばけ』第11週でヘブンとマーサの悲しい過去が描かれた後、上記のような史実の情報についてのネットニュースが出ていたため、「マーサが後半で再登場するのではないか」という予想は以前からあったようです。

 さすがに残り2話でマーサがアメリカで裁判を起こす、というような展開はないと思われますし、そもそも彼女はそのような行為をする人物には描かれていません。ただ、朝ドラでは過去に登場した人物のその後の姿が終盤でサラッと描かれることはよくあります。史実を少し反映して、シンシナティで家族と幸せに暮らしているマーサが映される、という展開はありそうです。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『小泉八雲 ラフカディオ・ヘルン』(中央公論新社)、『小泉八雲 漂泊の作家 ラフカディオ・ハーンの生涯』(毎日新聞出版)

(マグミクス編集部)

【画像】え、「こんな美人だったんだ」「でも気強そう」 コチラが『ばけばけ』マーサのモデルの女性(ハーンと出会った当時18歳)です

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