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豪華声優で期待集めた『天空戦記シュラト』、物語後半を「前半のクオリティ」で見たかった

前半のクオリティで見たかった、後半の物語

「天空戦記シュラト 転生眩奏 オリジナルサウンドトラック」(キングレコード)
「天空戦記シュラト 転生眩奏 オリジナルサウンドトラック」(キングレコード)

 基本設定を担当したのは、その後数多くのヒット作品を手掛けることになる脚本家のあかほりさとる氏。キャラクターデザインはOVA版『銀河英雄伝説』も手掛けた奥田万つ里氏。監督もやはり『ジリオン』と同じ西久保瑞穂氏と、製作スタッフにも実力派が揃い踏みしていました。

 本作の前半では、ディーヴァ神軍の雷帝インドラが反乱を起こして調和神ヴィシュヌを石に変え、人間界から天上界へ異世界転生してきたばかりのシュラトに罪を着せて、配下の八部衆に討伐させるという緊迫感あふれる展開が描かれます。特に作画とストーリーに関しては当時のアニメの水準としてはかなり高いレベルにあり、毎週の放送を楽しみにしていたことを思い出します。

 戦いのなかで八部衆は完全に分裂し、シュラトのもとには天王ヒュウガ、龍王リョウマ、迦楼羅王レイガが集い、インドラの配下には那羅王レンゲ、比婆王ダン、闥婆王クウヤ、そしてガイが残り、死闘を繰り広げるのです。

 特に、林原めぐみさん演じるレンゲは敵対陣営にありながらもメインキャラ級の扱いを受けていたように思えます。まだ戦う女性がメインに据えられるのは珍しかった時代でしたが、インドラが嘘をついていることに気付きながらも愛ゆえにシュラトたちとの戦いを受け入れる際の心の揺らぎなど、かなり多くのシーンが描かれていたのが印象的です。

 しかしながら、前半部分が終わり、後半のアスラ神軍との戦いが始まると、様相は一変します。キャラクターが動かなくなり、色が黒っぽかったり、逆に白かったりとおかしな状況に陥ってしまったのです。当時はインターネットもなく、「作画崩壊」という言葉も知りません。次週こそは元に戻るかもしれないという淡い期待を持って見ていたものの、毎週裏切られていたことをよく覚えています。

 それでも何とか最後まで見た記憶もあり、その後に発売されたOVAやカセットブック、ドラマCDなども一通り網羅しましたが、今でもやはり前半のクオリティで作られた後半を見たいという気持ちが残っています。不可能だとは思いますが、本当になんとかならないものかと切に願う次第です。

(早川清一朗)

【画像】書籍でも楽しめる、『天空戦記シュラト』の物語と世界観(5枚)

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