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一度はプレイしたい!歴史に埋もれた名作ゲーム3選。 Switch向けの配信も

長くなった「おうち時間」でゲームを楽しむ人が増え、国内ゲーム市場はますます成長を続けています。どのゲームで遊ぶか迷ってしまうところですが、目を向けてほしいのは新作だけではありません。過去に発売され、歴史に埋もれたタイトルのなかにも、一度は遊んでおきたい名作があるんです。

過去作とは思えないほどの出来に驚愕

 ニンテンドーSwitchやPlayStation5など、おうち時間を充実させてくれる最新ハードの需要が高い現在ですが、過去ハードで発売され、歴史に埋もれたタイトルのなかにも、一度は遊んでほしい名作があります。なかには、ニンテンドーSwitchでダウンロード購入可能なものも……厳選した3作品をご紹介します。

●希少! おいしい演出にそそられる『プリンセスクラウン』

210510-game-01 『十三機兵防衛圏』の追加特典として配信された『プリンセスクラウン 復刻版』
210510-game-01 『十三機兵防衛圏』の追加特典として配信された『プリンセスクラウン 復刻版』

『プリンセスクラウン』は、1997年にセガサターン用のソフトとして発売されたアクションRPGです。略称は「プリクラ」。当時のゲームファンなら「プリクラ」と聞けば、あのプリントシール機ではなくこちらを思い浮かべる人もいるでしょう(実はどちらも、ゲーム会社アトラスの開発だったのですが)。

 その後、アトラスとゲーム開発会社ヴァニラウェアがタッグを組んで生み出した人気作、『オーディンスフィア』『ドラゴンズクラウン』の原点とされるゲームで、20年以上前の作品ながら、美しい2Dグラフィックが語り継がれています。

 物語は13歳の女王グラドリエルが、王国の民のために魔物を倒す旅をする……という王道ファンタジーですが、随所に絵本のような演出がちりばめられ、2Dドット絵ながら登場キャラの動きは細かく愛らしくなめらかで記憶に残ります。

 そして、「アトラス×ヴァニラウェア」作品といえば、食べ物へのこだわりがスゴイのですが、原点とされる『プリンセスクラウン』でももちろん、こだわりまくっています。戦いで減ったHPは食事で回復するのですが、そのアイテムが「おべんとパン」「グリルにく」「さかなのスープ」など、おいしそうなものばかり。

 しかも、単なる名前だけではなくビジュアル化されているからたまりません。たとえばパンの上に目玉焼きがのった「おべんとパン」からは、ほかほかとした湯気があがり、グラドリエルがひとくち食べると、目玉焼きがなくなっているという芸の細かさ。おいしそうに食べるグラドリエルの姿を見るためだけにプレイしたくなってしまう名作ゲームです。

※『プリンセスクラウン 復刻版』は2019年11月28日発売のPlayStation4用ソフト『十三機兵防衛圏』の追加特典として配信されました。通常販売も切に願うところです。

●世界が一変する『ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙』

1992年に発売された『ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙』(データイースト 任天堂)
1992年に発売された『ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙』(データイースト 任天堂)

 ギリシャ神話の世界観をベースにしたRPG「ヘラクレスの栄光」シリーズは、1987年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された第1作から始まり、ゲームボーイ版、ニンテンドーDS版まで含めると全6作ありますが、なかでも最高のシナリオと称されるのが『ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙』です。

 記憶を持たず、どんな高いところから落ちても死なないという不思議な能力をもつ主人公が、自分は何者なのかを探すために旅していく物語なのですが……正直、操作性は悪く戦闘バランスもきつく、楽しむために始めたゲームが苦行かと思えるほどの辛さです。おそらく、途中で投げ出したくなってしまう人も多いことでしょう。

 でも、そこをあえてグッとこらえるのが肝心。物語の終盤にくると、それまでのすべての謎が解ける一瞬が訪れます。主人公と一緒に辛い旅をしてきたプレイヤーは、その時、驚愕とともに深い感動に包まれることでしょう。作り込まれた美しい絵でなく当時の粗いドット絵がまた、感情移入にひと役買ってくれた気もします。

 ネタバレ厳禁なゲームゆえ細部を語ることはできませんが、小説でも映画でもない、自分でコツコツと進めてきたゲームだからこそ味わえるあの感動を、すべてのゲーマーに体験してほしいと思います

※『ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙』(ニンテンドーSwitch版)はG-MODEアーカイブスからダウンロードすることができます。

●アンチRPGの世界『moon』

2019年にニンテンドーSwitch版『moon』の配信を記念して公開された壁紙
2019年にニンテンドーSwitch版『moon』の配信を記念して公開された壁紙

 1997年にPlayStation用ソフトとして発売された『moon』は、アンチRPGを掲げた、一風変わったゲームです。RPGといえば、勇者がモンスター退治で経験値を稼ぎ成長するのがお約束の世界。けれども『moon』を紹介する公式ページでは、こんな疑問が投げかけられました。

「なぜ勇者は世界中のモンスターを皆殺しにするのか?」「なぜ勇者は勝手にタンスをあけて人の家からアイテムを盗むのか?」。たしかに、勇者=正義の設定がなければ、これは単なるならず者の仕業です。

 そんなRPGの殺伐とした世界とは真逆を行ったのが『moon』で、プレイヤーは世の中の「ラブ」を集めながら身の回りを探索し、世界を楽しみます。そして勇者が経験値稼ぎのために殺したアニマル(『moon』の世界ではモンスターではなくアニマルと呼びます)の魂も「ラブ」の力で救済するのです。独特な世界観は、一度ハマったら抜けられません。

※『moon』はニンテンドーSwitch向けのダウンロード販売のほか、豪華ボックスの「moon PREMIUM EDITION」が発売されています。

(古屋啓子)

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