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マンガの愛すべき「謎理論」3選。意味不明な理屈でも、つい実践してしまう説得力

マンガのなかには、読んでいるときはなんとなく勢いわかるものの、冷静に考えると意味不明な“謎理論”がたびたび登場します。マンガを面白くするために欠かせない “謎理論”を、名作から3つ紹介します。

冷静に考えると意味不明…だけど夢中になった子供時代

 バトルマンガなどでは、必殺技の威力のカラクリが詳しく書かれていたりすると、説得力が出て面白くなったりするものです。しかし、読んでいるときには勢いで理解できるものの、冷静に考えると「どういうこと?」と思ってしまう“謎理論”も多々あります。 子供のころ熱中していた少年マンガを大人になって読み返したら、ツッコミどころ満載だった……という経験をした人もいるのではないでしょうか。

 ただ、もちろんマンガのなかの話なので、筋が通っていなくても面白ければ良いわけです。この“謎理論”もマンガの愛すべき要素のひとつといえるでしょう。今回はそんなマンガの「愛すべき謎理論」を3つピックアップしてご紹介します。

●ウォーズマン理論『キン肉マン』

ウォーズマンが表紙に描かれる、『キン肉マンII世 究極の超人タッグ』8巻(集英社)
ウォーズマンが表紙に描かれる、『キン肉マンII世 究極の超人タッグ』8巻(集英社)

 ゆでたまご先生の大ヒットマンガ『キン肉マン』のなかには、物理法則を無視した理論がたびたび登場していますが、なかでも有名なのが通称「ウォーズマン理論」。ロボ超人・ウォーズマンが、圧倒的な強さを誇るバッファローマンと戦うときに披露しました。

 作中では、キャラの強さとして「超人強度」というパラメータがあり、ウォーズマンは100万パワー、バッファローマンが1000万パワーと圧倒的な差がありました。そこでウォーズマンは、いつも片手につけている武器「ベアークロー」を両手に装着し……

「100万パワー + 100万パワーで200万パワー!!」
「いつもの2倍のジャンプがくわわって200万×2の400万パワー!!」
「そして いつもの3倍の回転を加えれば400万×3の バッファローマン!お前をうわまわる1200万パワーだーっ!!」

……と、謎の理論を展開します。ウォーズマンは光の矢となりバッファローマンを貫こうとしましたが、標的を外し、角を折るだけにとどまりました。

 このインパクト抜群の計算方法は読者たちに衝撃を与え、いまでもネタとして使われるほど愛されています。

●雷獣シュート『キャプテン翼』

高橋陽一:著『キャプテン翼』23巻(集英社)
高橋陽一:著『キャプテン翼』23巻(集英社)

 続いては、高橋陽一先生が世に送り出した国民的サッカーマンガ『キャプテン翼』の謎理論。本作の大きな見どころは、やはり必殺シュートです。主人公・大空翼のライバル・日向小次郎は、パワーを活かした派手な必殺シュートを繰り出します。そのなかでも、圧倒的な破壊力を誇るのが「雷獣シュート」。

 もともと日向は「タイガーショット」という、コンクリートに穴をあけるほどの必殺シュートを持っていました。ワールドユース編にて、それを超えるシュートを編み出すために沖縄で猛特訓を行って身につけたのが、虎を超える“雷獣”の名を冠した「雷獣シュート」です。

 その理論は「シュート直前でわざと地面を蹴り、その反動によって威力を増大させる」というもの。威力だけでなく、キーパーの手前で浮き上がるような弾道を描く、という設定もありました。

 普通に考えれば、地面をえぐりながら蹴ったら威力が落ちそうな気がしますが、雷獣シュートは大木を真っ二つにするほどの破壊力。もはや人間に向かって打っていいレベルを軽く超えていました。

 大人からすると理解はできないものの、子供心には「なんとなくできそう」と感じてしまうのがこの雷獣シュート。小学生時代にマネをして、足をジンジンさせた人も多いのではないでしょうか。

●二重の極み『るろうに剣心』

和月伸宏:著『るろうに剣心』2巻(集英社)
和月伸宏:著『るろうに剣心』2巻(集英社)

 最後は、和月伸宏先生の大人気作『るろうに剣心』に登場する必殺技「二重の極み」。破戒僧・悠久山安慈と、喧嘩屋を生業としていた相楽左之助が使用する必殺技です。

 この技は、一見すると普通のパンチのように見えるものの、瞬時に二度の打撃を与えることによって破壊力を増すというもの。作中では、安慈が石に拳を当てながら、このように説明していました。

「全ての物には抵抗が存在するため その衝撃は (普通の打撃では)完全に伝わりきらん」
「まず こう拳を立てて石に第一撃を加える 第一撃目の衝撃が石の抵抗とぶつかった瞬間 拳を折って第二撃を入れる」
「すると第二撃目衝撃は抵抗を受ける事なく完全に伝わり 石を粉砕する」

 なんだか一瞬信じてしまいそうですが、すべての物にあるという“抵抗”がなんのことなのか完全に謎です。この説明を抜きにして単純に考えると、二段階にわけても、一撃の場合とエネルギー的には変わらないように思えますが…作中では巨大な岩をも砕く破壊力を見せていました。

 この「二重の極み」も、子供心にはかなり説得力がある言い回しがされていたため、習得しようと鍛錬していた子供たちが数多く存在していました。虚構の枠を飛び越えて読者を熱中させるものが、“謎理論”の魅力といえるかもしれません。

(古永家啓輔)

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