マグミクス | manga * anime * game

ポリゴン以外にもあった、『ポケモン』の封印作品たち。アニメ史を変えるほどの影響も?

アニメ『ポケモン』には、現在では放送することができないエピソードがいくつかあります。それぞれ事情は異なりますが、その出来事がアニメ史を変えるほどの影響ももたらしています。

アニメ制作現場をも変えた「ポケモン事件」とは?

ポケモンセンター20周年記念イラストに描かれたポケモンたちのなかにポリゴンの姿が。ネット上では「許された」との声も…
ポケモンセンター20周年記念イラストに描かれたポケモンたちのなかにポリゴンの姿が。ネット上では「許された」との声も…

 色々な事情から放送できなくなった作品を「封印作品」と呼ぶ人がいます。国民的人気アニメといわれている『ポケットモンスター』(以後ポケモン)にも、現在では見ることができない話がいくつかありました。

 その最初にしてもっとも有名なものが、1997年12月16日に放送された第38話「でんのうせんしポリゴン」です。

 放送当時、この話のなかで使われた激しい点滅、いわゆるパカパカが光過敏性発作という症状を誘発し、テレビを見ていた651人が入院しました。そこまでひどくはならなかった軽微な症状の方を合わせると、その数はさらに大きくなっていたそうです。

 このパカパカは、それまでアニメの手法として比較的普通に使われていた効果で、この話では多かったと報告されていましたが、そこまで過激なものではありません。実際、筆者の家庭でも見ていましたが、たまたま何事もありませんでした。

 ですが、放送を見て具合が悪くなった人がいたことは紛れもない事実。この事件をきっかけに『ポケモン』のTV放送は無期延期になります。その後、どこのTVアニメも冒頭に「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」というテロップが自主的に入るようになりました。

 その後、自粛期間中に点滅処理の見直しなどを経て、『ポケモン』は1998年4月16日に「ピカチュウのもり」で放送再開されます。

 今では、この話が第38話という扱いになり、「でんのうせんしポリゴン」は公式的には登録抹消となりました。他の話と同様に点滅処理を修正しようとしたが、できなかったからといわれています。

 可哀想なのは、この回の主役ポケモンであるポリゴンで、現在のところ進化系のポリゴン2、ポリゴンZを含めて、TVアニメでは登場していません。ゲームでは人気があるだけに残念です。

 ポケモン封印作品は、実はこれだけではありません。他にも封印された作品がありました。

 そのひとつが、2004年11月4日『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』第101話として予定されていた「ゆれる島の戦い! ドジョッチVSナマズン!!」です。この話の場合、放送前に「別の話に差し替えられる」という処置がされました。

 この話が放送中止になった理由は、2004年10月23日に起こった新潟県中越地震に対する配慮です。タイトルからも想像できますが、地震を想像する内容が時期的に適さないというスタッフの判断でした。

 これ以降、「じしん」、「じわれ」、「マグニチュード」といった地震を連想させるポケモンの技は、アニメのなかでは使われなくなっています。

 そして、シリーズが終了した現在まで存在が抹消された状態で、おそらくフィルム的には完成しているのに誰ひとり見られない、幻の作品となりました。

【画像】いろいろ事情はあるけれど…幻となったアニポケエピソードたち

画像ギャラリー

1 2