マグミクス | manga * anime * game

「ジャンプ」主人公の声優と言えば神谷明 子供の頃を思い出す、魔法のような力

9月18日は、声優・神谷明さんの誕生日です。1980年代に『キン肉マン』のキン肉スグルや『北斗の拳』のケンシロウ、『シティーハンター』の冴羽リョウなど「週刊少年ジャンプ」原作のアニメで主人公を務めあげ、当時の少年少女たちに「主人公の声優と言えば神谷明」と言い切れるだけの強烈な印象を残しました。

毎日のように耳にしていた、神谷明さんの声

『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』  (C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会
『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』  (C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

 9月18日は声優・神谷明さんの誕生日です。1960年代後半から80年代半ばあたりに生まれた方であれば、神谷明さんこそがアニメの主人公役だったという感覚を理解していただけるのではないかと思います。特に筆者が子供だった80年代前半は、1970年代に放送されたアニメが朝や夕方に再放送されることが多く、『バビル2世』のバビル2世や『ゲッターロボ』の流竜馬、『勇者ライディーン』のひびき洸の声は毎日のように耳にしていたものです。

『宇宙戦艦ヤマト』の加藤三郎・四郎兄弟や『ドカベン』の里中智などの準主役級キャラクターも加えれば、再放送でどれだけ神谷さんの声を聞き続けていたのか想像もできません。神谷さんの声は心の中に刻み込まれており、思い出そうと思えばいつだって思い浮かべることができる。そういう方も多いのではないでしょうか。

 1970年代にも多数の重要なキャラクターを演じていた神谷さんですが、80年代に入りその勢いは凄まじく加速します。1983年に『キン肉マン』の主人公・キン肉スグルを演じたことにより知名度が大きく向上し、特にアニメに興味のない層にまで名前が知れ渡るほどになりました。さらに1984年には『北斗の拳』でケンシロウを演じ、子供たちが「お前はもう死んでいる」などの名セリフをこぞって真似するほどの人気を獲得しました。この時代の子供たちであれば、友達となんとかキン肉バスターを再現しようと奮闘したり、「北斗百裂拳!」と叫びながらじゃれあったりした記憶を持つ方も多いはずです。「神谷明」という名前には、楽しかった子供の頃を思い出す、魔法のような力があるようにも思えます。

 そして1987年には、『シティーハンター』の冴羽リョウを演じます。TVでの4シリーズに加え3本の特別編、さらに2019年の『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』まで足掛け32年にわたり神谷さんは冴羽リョウを演じ続け、最大級の代表作となりました。

 神谷さんもご自身が設立した事務所に原作者の北条司先生の許可を得たうえで、「冴羽商事」と名付けるほど『シティーハンター』への思い入れは深く、「ケンシロウのような二枚目の演技も、キン肉スグルのような三枚目の演技も受け入れてくれる冴羽リョウが一番好きな役」であると語っています。

ギャグもこなす演技の幅広さ

面堂終太郎役 『うる星やつら』新装版第4巻(著:高橋留美子/小学館)
面堂終太郎役 『うる星やつら』新装版第4巻(著:高橋留美子/小学館)

 2019年の実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』には残念ながらゲスト出演という形になりましたが、本作でリョウ役の吹き替えを務めた山寺宏一さんには神谷さんが直々にオファーを受けて欲しいと頼んだと明かしています。

 もちろん神谷さんの魅力は主人公役だけではありません。特に高橋留美子先生原作のTVアニメ『うる星やつら』では面堂終太郎役を演じ、容姿端麗にして成績優秀、運動神経も抜群で大金もち、しかし狭く暗いところに閉じ込められると「暗いよ狭いよ怖いよ~」と泣き叫ぶという瞬時の切り替えが必要とされるキャラクターを見事に表現されていました。神谷さんにとっても、終太郎役はギャグを演じる転機になったと後に語っておられます。

 高橋先生の作品では、『めぞん一刻』でも三鷹瞬役を演じています。主人公の五代君では絶対かなわないような高スペックの持ち主で、ヒロインの音無響子こと管理人さんをたびたびデートに誘い五代君をやきもきさせますが、言動には嫌味がなくさわやかな青年で最終的には身を引く役を好演しました。『らんま1/2』でも神谷さんは何度もゲスト出演しており、80年代から90年代にかけての高橋留美子作品には決して欠かせない方でした。

 21世紀に入ってからもコンスタントに声優としての活躍を続けており、2018年には話題作『ポプテピピック』の4話Bパートでピピ美役を演じ、『シティーハンター』の海坊主役で長らく共演された玄田哲章さん演じるポプ子と息のあった演技を披露してくれました。2021年で75歳を迎える神谷さん。これからも、元気な声を聞かせ続けてくれることを切にお祈り申し上げます。

(ライター 早川清一朗)

【画像】脇役も手堅い! 声優・神谷明さんが出演する人気アニメ

画像ギャラリー