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『うる星やつら』アニメ放送40周年 クレームが絶えず、打ち切りの可能性も…

ヒロインとして不動の人気を誇ったラム

 初期は15分2話形式でしたが、放送が長く続くことが予想されるようになった半年ほど経った第3クールから30分1話形式になりました。この前後くらいから作品に変化がおとずれます。

 もともと本作を製作していた「スタジオぴえろ」は、当時『太陽の子エステバン』と『まいっちんぐマチコ先生』に主力スタッフが割かれており、残ったスタッフが本作を担当していました。徐々に新しいスタッフが集まり、本格的に動き出したのが第3クールからだったそうです。振り返ってみると、確かに初期に比べて、この時期から作画が安定していきました。

 物語の面でも、15分枠では収まりきれなかった押井さんのセンスが目立ち始めたのもこの頃からです。その最たる例が、原作ではモブキャラだったメガネの異例の抜てきでした。強烈な個性でメインキャラを食う雰囲気だったメガネは、声を担当した千葉繁さんの個性的な演技とアドリブから、押井さんが活躍の場を与えたキャラで、難解な長ゼリフを饒舌(じょうぜつ)にしゃべるマシンガントークをたびたび披露しました。

 また、初代オープニング主題歌「ラムのラブソング」は、その後に何度もカバーされるなど、世代を超える名曲です。当時からアニメファンには人気が高く、「アニメージュ」主催の「第4回アニメ・グランプリ」音楽部門で、2位の「愛の金字塔」(『六神合体ゴッドマーズ』エンディング)を1票差で抑えて1位を獲得しました。

 本作は当時のTVアニメとしては珍しく、オープニングとエンディングが変わっていくことでも有名です。当時のアニメでは1年以上放送するような番組でもオープニングとエンディングが変わることはほとんどなく、昨今の1クールごとに曲が変わるTVアニメの先駆けだったのかもしれません。そのため、初代エンディング曲「宇宙は大ヘンだ!」をはじめ、ファンには名曲と呼ばれる歌を数多く生み出しました。

 人気と言えば、ラムの人気も高かったです。前述の「第4回アニメ・グランプリ」キャラクター部門では2位。当時は男女一緒だったことから、1位は『六神合体ゴッドマーズ』の明神タケル/マーズに譲りましたが女性キャラクターでは1位になります。その人気は長い間にわたり、TV放送が終了する前年の第8回まで連続して女性キャラでは3位以内をキープしました。

 ラムの声を担当した平野文さんは本作が声優デビュー作で、それまではラジオのDJをメインに活動していたそうです。それがある時、ファンから「声優に向いている」とハガキがあったことがきっかけで声優になりました。平野さんのそれまでになかった新鮮な声はラムの人気急上昇に一役買い、同時に自身の人気加速という相乗効果を生みます。

 ラムは男性人気だけと思う人もいるかもしれませんが、女性人気もけっして低くありません。当時は同人誌即売会でコスプレが流行し始めた時期で、どの会場でも何人ものラムのコスプレを見かけたものです。なかにはそれがきっかけでブレイクした人もいました。そして、男性の女装コスプレを見かけたのもラムが最初だったかもしれません。とにかく、それほどの人気でした。

 ラブコメというジャンルを、アニメのなかで急速に押し上げたのは本作の人気が要因だと思います。そして、本作の大ヒットが後に数多くの名作を生み出すきっかけとなりました。

(加々美利治)

【画像】見返りショットが可愛い! 高橋留美子先生が描くラムの姿(6枚)

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