「ニュータイプ」に続いて登場した、ガンダム作品のトンデモ能力。寿命も通常の2倍に?
宇宙世紀を舞台としたガンダムシリーズでたびたび登場する「ニュータイプ」の概念。その概念は宇宙世紀以外のガンダムシリーズにもさまざまな形となって引き継がれていきました。
答えが見つからない「ニュータイプ」の概念

『機動戦士ガンダム』で登場した「ニュータイプ」、すなわち従来の人類を超えた新人類という概念は、後続のガンダムシリーズでもさまざまに形を変えて引き継がれていきました。
ニュータイプとは、宇宙世紀に生まれた「人類の革新」と呼ばれています。宇宙で暮らすようになった人類が進化した姿。言葉がなくてもわかりあえる人類……物語のなかではそう語られていますが、一方で旧人類(オールドタイプ)を超える能力の持ち主であることから、本人の意思とは関係なく戦争に利用されていきました。
そんなニュータイプの概念は、『機動戦士ガンダム』終盤で唐突に語られるようになった雰囲気がありますが、本編第9話でマチルダがアムロのことを「エスパー」と呼ぶことで作中には序盤で登場しています。もともと、富野由悠季監督は企画書の段階でエスパー(ニュータイプ)の登場を予定に入れており、あえてその概念を終盤まで持ち越していたというのが真相でしょう。
しかし、このニュータイプの概念は難しいものです。富野監督自身も長い年月のなかで、その概念に関する発言が変わっていきましたし、スタッフの間でもその基準は統一されていません。まして、その概念を引用する後年の制作者、批評家の解釈もバラバラで、前述した程度の大まかな認識が基本になる程度だと思います。
このニュータイプ以外にも、富野監督作品で最後の宇宙世紀を描いたアニメ作品『機動戦士Vガンダム』では、「サイキッカー」という人びとが登場しました。ヒーリングやテレパシーに近い能力が使えるとされていますが、これがより進化したニュータイプなのか、まったく別の存在なのかは不明です。
ただ、巨大サイコミュ要塞「エンジェル・ハイロゥ」を稼働させるため、2万人のサイキッカーが乗り込んでいたと言われていますから、それなりに作中では認知されていた存在だったのでしょう。
意外と思われますが、ニュータイプの存在が宇宙世紀以外の作品にも登場することがあります。『機動新世紀ガンダムX』の舞台である「A.W.(アフターウォー)」では、宇宙世紀と比較的近い形でニュータイプが登場しました。それに近い存在で「カテゴリーF」という存在も登場しています。
富野監督作品である『∀ガンダム』では、ニュータイプはすべて外宇宙に旅立って太陽系圏内には存在しないという設定がありました。
『新機動戦記ガンダムW』ではニュータイプの存在が検討されていましたが、結果的に登場させないという方向で作品が制作されています。コミカライズで名前だけ登場しているのは、その名残りでした。このほかに『機動戦士ガンダムSEED』でも、初期の企画書では登場が検討されています。