原稿執筆が速すぎる漫画家3選 真似できない仕事術、「4人いる」という噂まで
ギネス記録を持つ昭和の大作家

●『ゆるゆり』作者は速筆エピソードの見本市 「4人いる」という噂も
『ゆるゆり』などの作品で知られる、なもり先生の速筆ぶりはたびたびSNSで話題になります。「コミック百合姫S」最終号では季刊とはいえ一挙に100ページ掲載したり、『ゆるゆり』のコミックス4巻限定版ではなんと1万回ものサインを直筆したり、そのサービス精神で多くのファンを驚かせました。
掲載誌が隔月の「コミック百合姫」に移籍してからも筆は加速し、掲載誌が2回刊行されるスパンにおいて、単行本を3冊刊行(うち1冊は完全描き下ろし)。これには担当者も、「なもりは4人いるだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない」と異例のコメントを寄せています。またニコニコ生放送では、実際にイラストを描く配信を敢行しました。生きる伝説として、今なおたぐいまれな速筆ぶりを誇っています。
●おそらく世界最速?天才・石ノ森章太郎の絶対に真似できぬ速筆伝説
『仮面ライダー』『サイボーグ009』など超ド級の傑作を世に送り出した偉人、石ノ森章太郎先生こそ、前人未到の速筆伝説の持ち主です。
「ひとりの著者が描いたコミックの出版作品数が世界で最も多い」というギネス記録を保持する石ノ森先生は、60歳で亡くなられるまでに770もの作品を世に送り出しており、2006年に刊行開始された『石ノ森章太郎 萬画大全集』は総ページ数12万8000ページに及びます。多忙を極めた時期には月600枚ほどの原稿を執筆しており、アシスタントの証言によれば机に座った瞬間からペンが止まることなく、どんどん原稿が上がっていったとのことです。さらにその間に育児もしていたというのですから、もはや常人では想像すら及ばぬ領域です。
当然のことながら、いくら仕事が早くとも、質が伴わなければプロではありません。今回ご紹介した先生は扱っている題材こそ違いますが、それぞれのジャンルの第一人者であり、また先駆者でもあるプロ中のプロ。そして何より、描きながら新たな可能性(遊び方)も模索し続けている天才でもあるのです。
(片野)

