『マクロス』死亡フラグに散った男・打ち勝った男 「名前」で生存が確定していた?
死亡フラグに打ち勝った男たち

初代『マクロス』では死亡フラグが立ったキャラクターは容赦なく死んでいくパターンが多かったのですが、以後のシリーズではフラグをくつがえして生存するキャラクターも出てきています。
『マクロス7』に登場したガムリン木崎は、「マクロス」シリーズにおいて死亡フラグをくつがえしたキャラクターのひとりです。マクロス7所属の精鋭部隊、ダイアモンドフォースの隊長であるガムリンは、ヒロインのミレーヌ・フレア・ジーナスとの見合いやその後の交流を通じ恋心を深めていました。しかしプロトデビルンの本拠地破壊命令を受け、生還の望みが極めて低い作戦に従事することになったガムリンは、ミレーヌの誕生日に婚約指輪を手渡しました。しかも「私が生きて戻ったら、これを左手の薬指にはめてください」と盛大な死亡フラグを打ち立てた上で出撃し、撃墜されて生死不明となってしまうのです。しかし「これは死んだ……」と思わせておきながら、ひょっこり帰還し、見事に死亡フラグを覆しました。そもそも「木崎」という苗字は「柿崎」から「市」すなわち「死」が取り除かれています。苗字を決めた時点で、生存は確定していたのかもしれません。
そしてガムリンよりも強烈な死亡フラグを覆したのが、『マクロスF』に登場したオズマ・リーです。ヒロインのひとりであるランカ・リーの保護者であり、ロイ・フォッカーと同じ「スカル小隊」の隊長でもあるオズマは、第17話「グッバイ・シスター」で盛大に死亡フラグを立てまくります。ランカとの過去の回想に始まり、思わせぶりに映り込んだランカの初ライブチケットが風に吹かれて落ちる、彼女との逢瀬中に呼び出しを受ける、出撃直前に「お前もお前の夢も、俺が守る!」との決意表明と、ひたすらに死亡フラグが演出されて行きます。さらに無謀な接近戦、BGMが思わせぶり、敵の猛攻撃を受ける、出血しながら恋人と会話……などなど、これでどう生き延びるのかと手に汗握る展開が続きましたが、結局生き残りを果たしました。
オズマが生存したことにより、さまざまな死亡フラグは無効化されたのかもしれません。しかしアニメの世界に戦いがある限り、新たな死亡フラグが現れるでしょう。現世代、そして未来の世代の創作者たちが生み出す死亡フラグはどのようなものなのか、少し楽しみな気もします。
(早川清一朗)



