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『呪術廻戦』SPがTBS系で放映 目に焼き付けておきたい「姉妹校交流会編」の明るさ

壮絶すぎる女子たちの呪術バトル

京都校のメカ丸、禪院(真依)、三輪が描かれる、『呪術廻戦』Blu-ray/DVD Vol.7(東宝) (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
京都校のメカ丸、禪院(真依)、三輪が描かれる、『呪術廻戦』Blu-ray/DVD Vol.7(東宝) (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 気の強い女性キャラクターが多いのも、『呪術廻戦』の大きな魅力でしょう。東京校の2年・禪院真希は、京都校の2年・禪院真依から狙われます。同じ姓で、同い年のこのふたり、実は双子の姉妹です。

 呪術界の名門御三家のひとつ・禪院家に生まれた真希でしたが、生まれついての呪力がないため、一族から冷たく扱われ、出奔したという経緯がありました。実家に残された真依は、真希がひとりで家を出たことを恨んでいたのです。姉妹ならではの近親憎悪が、真依の内面には渦巻いています。

 東京校1年の釘崎野薔薇は、箒(ほうき)に乗って空を舞う京都校3年の西宮桃と対戦します。この女子同士の一戦、野薔薇の口の悪さに注目が集まりがちですが、その後ろで闘う東京校2年のパンダの先輩らしい思いやりに、グッと来るものがあります。

 パンダは京都校の2年・究極メカ丸と闘っていたのですが、メカ丸が放つアルティメットキャノンが後方にいた野薔薇を直撃しないよう、パンダは全身で受け止めるのです。身を挺して後輩を庇うという、体育会系的な美しさを感じさせます。パンダ先輩、本当にいいヤツです。

ポンコツキャラで人気の三輪霞

 癖が強いキャラクターたちの見せ場が続く「姉妹校交流会」ですが、逆に見せ場がないことで印象に残るキャラもいます。京都校2年の三輪霞です。シン・陰流の抜刀術の使い手なのですが、虎杖には軽くかわされ、戦闘能力抜群な真希には歯が立ちません。

 交流会に乗じて、夏油一派が乱入してきた際も、三輪はまったく関わることなく、爆睡状態でした。交流会再開後の野球大会では、「役立たずの三輪です」と自嘲するほどです。メカ丸にバレンタインの義理チョコ代わりにエボルタ単三電池を渡すなど、性格のよい三輪ですが、交流会では見事なほどに活躍できません。それもまた青春の1コマではないでしょうか。

 ライバル心むきだしで闘う東京校と京都校の若き呪術師たちですが、原作コミックの第10巻から始まる「渋谷事変」を読むと、交流会での彼らは学生らしいかけがえのない青春を謳歌していたことに気づきます。虎杖と東堂は深い友情で結ばれ、真希と真依は姉妹の切れない絆を確かめ合います。そして「役立たずの三輪です」の台詞は、後に読者の胸にグサッと突き刺さることになります。

 2023年にTVアニメ『呪術廻戦』の第2期が放映されることが発表されましたが、第2期はかなりドロドロの物語になることが予測されます。虎杖たちのハードだけど明るい学生生活を描いた「姉妹校交流会編」を、ぜひ目に焼き付けておいてください。

(長野辰次)

【画像】クセ強すぎだけど気になる存在、「呪術高専京都校」の面々(4枚)

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