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ヨーロッパ史が学べるマンガを時代別に紹介!戦い、恋愛を通して身につく政治、文化の知識

学校の授業で歴史が苦手だった人もいることでしょう。でも、歴史はちゃんと学べば面白いです。今回はそんな歴史の勉強の手助けになる、面白いヨーロッパが題材の歴史マンガを紹介します。

学習マンガにはない歴史マンガの面白さ

アニメ第2期も控えている『ヴィンランド・サガ』1巻(講談社)
アニメ第2期も控えている『ヴィンランド・サガ』1巻(講談社)

 歴史やテクノロジー、経済など学ぶ目的で作られる学習マンガは文字情報をメインにした書籍よりもとっつきやすく、筆者も少年時代はお世話になりました。しかし、学習マンガには、大人になった今思い返すと不満に感じる部分があります。

 筆者が子供の頃に読んだモーツァルトの学習マンガでは、まるでモーツァルトが純真無垢な人物であるかのように描かれていました。モーツァルトが下ネタが大好きで生活能力が致命的に欠ける奇人変人だったのは有名な話で、名作映画『アマデウス』は歴史的には誤りだらけでも人物像はかなり真に迫っていると思います。また、発明王エジソンは純粋な発明家であったかのように描かれていましたが、エジソンは剛腕なビジネスマンでもあり、独占禁止法違反で訴えられるなど毀誉褒貶の激しい人でした。

 逆に、一般誌の歴史マンガはフィクションを交えつつもそういう汚い部分を隠さず描いています。そんな一般マンガで歴史を楽しむのは、酸いも甘いも噛み分けた大人の特権でしょう。今回はヨーロッパ史を学べる、面白いおすすめ歴史マンガを紹介します。

●古代ギリシャ、ローマが学べるマンガ

ヨーロッパにおける文化の底流は、ギリシャとギリシャから多大な影響を受けたローマにあります。

 まず紹介したい、『オリンピア・キュクロス』は古代オリンピックを中心に、古代ギリシャの文化を描いた作品です。古代ギリシャ人のデメトリウスが古代ギリシャと第一回東京オリンピックの頃の東京を行き来する構成で、東京で見たものを古代ギリシャで(ちょっとズれた形で)再現しようとする時代と地域も超えたカルチャーギャップコメディとしても楽しめます。ローマはギリシャから影響を受けているので、がローマのテルマエ(公衆浴場)文化を描いた『テルマエ・ロマエ』の作者でもあるヤマザキマリ先生が同作を発表しているのは、自然なことと言えるでしょう。『別冊オリンピア・キュクロス』としてアニメ化もされていますが、アニメはシュールギャグになっています。

 また、『アド・アストラ -スキピオとハンニバル-』は共和政ローマ時代に起きた第二次ポエニ戦争を背景に、ふたりの天才軍師を描いた作品です。説明が多めで学習マンガっぽいですが、こちらはさらに残酷描写もてんこ盛りです。『ドリフターズ』でハンニバルがスキピオを「パクリ野郎」と罵っていましたが、同作を読むとその理由がよくわかります。

●中世暗黒時代が学べるマンガ

 中世後期は、世盛期の後に続く14・15世紀頃の時代。相次ぐ飢饉と疫病で社会が停滞した西洋史における暗黒時代です。

 この時代を学べるマンガとしておすすめしたいのは、『ヴィンランド・サガ』です。ヨーロッパ人が北米に本格的に入植し始めたのは17世紀のことですが、先駆けること500年前、すでに北米に辿り着いていたヨーロッパ人がいました。それが同作の主人公・トルフィンのモデルになった、トルフィン・ソルザルソンです。

 この話はただの伝説ではなく、確たる考古学的な証拠があります。こんなおいしい話を、漫画家が放っておくはずもありません。話の中心はトルフィンの成長と冒険ですが、ヴァイキングの文化、ヨーロッパ各国の勢力争いなどバックグランドなども魅力たっぷりで、幸村誠先生のストーリーテリングの巧みさには脱帽です。アーサー王伝説の要素が入っているのも、伝承好きにはたまりません。

 他に紹介したいのが、『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』です。チェコの宗教家ヤン・フスは、ルターに100年も先駆けて、宗教改革運動に乗り出していました。そのフスがだまし討ちで処刑されたのをきっかけに始まったのが、「フス戦争」です。フス戦争で英雄になったヤン・ジシュカは世界史好きでないと出てこない名前ですが、銃を主武装として使い、厳格な軍紀を守らせた時代を先取りした人物。

 それらの時代背景をフィクションを交えて描いた『乙女戦争』はエログロ満載で、中世暗黒時代をどす黒く描いた作品です。作者の大西巷一先生は大学院で西洋史を学んだ本格派で、単行本に挿入された解説記事も大変読みごたえがあります。

ヨーロッパ史を学べるおすすめ歴史マンガ(8枚)

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