GWに見たい! 原作ファンも納得の実写化映画5選 キャスティングに成功した良作たち
マンガと映画はまったく異なる表現媒体ですが、マンガの実写化映画のなかには原作の世界観を再現し、生身の俳優たちがマンガと実写との壁を見事に飛び越えてみせた作品もあります。GWの機会に観ておきたい、見応えのある実写化映画を「20世紀編」「21世紀編」に分けて紹介します。まずは、記憶に新しい「21世紀編」です。
実写化成功の鍵を握るキャスティング

人気マンガの実写化企画が発表されると、原作ファンの間で賛否の声や議論が巻き起こることもしばしばあります。実写化映画が成功するかどうかは、キャスティングが大きく左右すると言ってもいいでしょう。原作のイメージどおりの場合もあれば、映画の公開後に意外な熱演ぶりで観客を魅了するキャストもいます。
GWは自宅でまったりと過ごしたい派の人たち向けに、マンガの実写映画化に成功した作品を紹介します。大ヒットこそしていないものの、原作ファンも納得、原作を読んでいない人も楽しめる作品を選びました。どれも、すでにソフト化されている作品です。
菅田将暉&小松菜奈の共演作『溺れるナイフ』
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、菅田将暉さん演じる源義経のクレイジーぶりが大きな話題を呼んでいます。そんな菅田さんが、小松菜奈さんと共演した青春映画が『溺れるナイフ』(2016年)です。
東京で雑誌モデルとして注目されていた中学生の夏芽(小松菜奈)ですが、両親の都合で地方都市へと引っ越します。海沿いにあるその街で、夏芽は金髪の少年・コウ(菅田将暉)と出会います。「海も山も、この街のもんは、全部俺の好きにしてええんじゃ」というコウの奔放さに、夏芽は惹かれます。10代の美しくも、危うい純粋な自意識がぶつかり合います。
ジョージ朝倉さんの原作コミックは全17巻ですが、山戸結希監督はわずか17日間で和歌山県ロケを乗り切っています。1日で1巻分を撮るという超ハイペースの撮影でした。そのため、映画全体に疾走感があふれ出しています。
夏芽とコウが海中で戯れるシーン、海沿いの道を自転車にふたり乗りして駆け抜けていくシーンなど、小松さんと菅田さんの波長がぴったり合っていることが伝わってきます。2021年に結婚したふたりにとって、大切な作品になっていると言えそうです。
木村拓哉主演のアクション時代劇『無限の住人』
海外での人気が高い三池崇史監督が、木村拓哉さんと初タッグを組んだことで話題を呼んだのはアクション時代劇『無限の住人』(2017年)です。沙村広明氏の原作コミック全30巻を、上映時間141分のなかに濃縮して、詰め込んでいます。
不老不死の肉体を持つ万次(木村拓哉)は、家族を惨殺された少女・凛(杉咲花)の用心棒となり、剣客集団「逸刀流」に立ち向かいます。修羅場を生き続ける万次と、芸能界の最前線を走り続ける木村さんの姿を重ね合わせたような伝奇ものです。
個性的な剣豪たちと斬り結ぶ万次ですが、とりわけ見応えがあるのは乙橘槙絵(戸田恵梨香)との攻防です。スレンダー体型ながら「三節棍」を縦横無尽に操る戸田さんの殺陣姿は、熱い女優魂を感じさせます。万次が300人斬りに挑むクライマックスもあり、見どころの多い作品になっています。