往年の名作古典文学がテーマのアニメ4選!国語の勉強にもなる? 原作と比較
オリジナル要素を加えた作品は、作品の概要を知るうえで最適

●アニメオリジナルキャラクターの視点で描かれる『平家物語』
琵琶法師たちによって語り継がれ、その後の文学史にも多大な影響を残した『平家物語』。作家・古川日出男さんによる現代語訳版をもとにしたアニメ『平家物語』は、脚本や音楽、制作スタジオなど現代日本の精鋭クリエイターたちによる作品として大きな注目を浴びました。
アニメ『平家物語』の特徴のひとつは、主人公のオリジナルキャラクター・びわの視点で物語が進む点にあります。父親を平家の武士に殺された後、「平家が滅びる」未来を見たびわは平家の屋敷に侵入。そこで出会った平重盛に引き取られたびわは、平家の行く末を目の当たりにすることになります。
『平家物語』は本来源義経にもフォーカスを当てている作品ですが、アニメ『平家物語』では最後まで平家を主軸に置いています。オリジナル要素は強いものの、滅びゆく平家の人々の心情やキャラクターをありありと描いているため『平家物語』の世界観を味わえる作品です。
●日本文学の名作をSFダークヒーローものに?『HUMAN LOST 人間失格』
太宰治の代表作『人間失格』を、SFダークヒーローものへと大胆にアレンジした『HUMAN LOST 人間失格』。医療革命によって無病長寿社会となった日本では、特権階級と貧困層の二極化が進んでいました。そんな日本を舞台に、主人公・大庭葉蔵は社会へと戦いを挑んでいきます。
主人公をはじめとする登場人物の名前や「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」の三部構成など、原作を踏まえている点はあるものの、派手なアクションやSFの世界観といった斬新なアレンジが加えられています。もはや別物といっても過言ではありませんが、観賞後は原作を読むと意外な発見があるかもしれません。
(田中泉)