W杯前に読みたい隠れた傑作サッカーマンガ5選 Jリーグ開幕前の懐かし名作も
30年以上前の名作も……

●女子サッカーマンガと言えばこれ!『マイぼーる!』(全16巻)
2011年のなでしこジャパンW杯優勝もあり、この10年近くで女子サッカーを巡る日本の環境は大きく変わりました。そんななか、女子サッカーマンガも人気となり、新川直司先生による『さよなら私のクラマー』がアニメ化されています。そして、同作と並んでマンガファンを興奮させたであろう作品が、いのうえ空先生による『マイぼーる!』です。
『マイぼーる!』の主人公は、幼なじみの天才サッカー少年に恋心を抱く女子高生・宮野舞。彼女自身はサッカーにそれほど強い興味を持っていないものの、恋のライバルが立ち上げた女子サッカー部に所属することになり、幼なじみの自主練習に付き合ってきた経験と、生来の強い妄想癖を活かして活躍していきます。
舞のチームメイトや対戦相手は可憐かつ個性的な少女ばかりでお色気描写もあるため、普段から美少女アニメなどに触れていない人は少し戸惑うかもしれません。しかしそれを乗り越えてでも読んでほしい理由が、高い画力によるド迫力の試合シーンです。美少女たちがそれぞれの個性を発揮しながら躍動するさまが見事に描かれており、今回紹介するなかでは(最後の作品を除いて)もっとも真っ当に「熱血サッカーマンガ」になってています。
●フィールドの外の熱が伝わる『サポルト! 木更津女子サポ応援記』(全3巻)
ツジトモ先生の『GIANT KILLING』や能田達規先生の諸作品のように、プレイヤー以外のサッカー周辺の人々にスポットをあてた作品も増えていますが、高田桂先生による『サポルト! 木更津女子サポ応援記』もその中のひとつです。同作では、千葉県木更津市で暮らす女子高生サポーターの姿が描かれます。
作者の高田先生自身が東京ヴェルディのサポーターのため「ありそう」な描写も多く、贔屓クラブを持つ方は特に共感を覚えるはずです。また地元が好きになれずサッカーにも興味がない主人公の女子高生がサポーターになっていくという内容のため、サッカー観戦に興味がある、という程度の人もゴール裏の雰囲気を感じられて興味深く読めるでしょう。
●そんな時代もあったねと……『俺たちのフィールド』(全34巻)
ここまでは近年の作品を紹介しましたが、最後はオールドファンには著名ながら読んだことがない若いサッカーファンも多そうな作品を紹介します。1991年末に連載が始まった、村枝賢一先生による『俺たちのフィールド』です。
サッカー選手だった父に憧れる少年・高杉和也が成長し、Jリーグや代表、そしてワールドカップといった舞台で戦っていく大河物語。いわばサッカー版『MAJOR』といった趣ですが、そのなかで仲間やライバルとの出会いや数々の激闘、選手を取り巻く人とのドラマなどが濃密に描かれ、全34巻と長編ながらダレることなく読めます。
まだJリーグが開幕する前で、日本代表にワールドカップ出場経験がない時期に連載が始まったため、今となってはやや古く感じる描写が多いのは確かです。「ワールドカップ出場にこんなに苦労するなんて……」、と思う若い人もいるかもしれません。しかし、のちに『仮面ライダーSPIRITS』を連載する村枝賢一先生らしいマンガとしての熱さ、面白さはもちろんのこと、そのサッカー的なマインドは今でも通じるはず。本作のクライマックス、ワールドカップの試合中に実況担当アナウンサーのモロ岡が語る言葉は、サッカーファンなら涙なしでは読めない名台詞です。
(はるのおと)












