ガルマ・ザビは本当に「坊や」だったのか?
ジオン公国軍人として散ったガルマは有能?

●愛し愛されるガルマ
父デギンから溺愛されたガルマ。その理由としては、高齢での誕生、次男サスロ・ザビの事故死、妻・ナリスがガルマ出産直後に亡くなったことも大きかったと言われています。暁の蜂起後、ガルマが生還したことに安堵したデギンは、気性が優しいガルマを軍人ではなく学者にしたかったと漏らしました。これは明らかに他の子供たちとは違う親心でした。
さらに恋愛面において「愛」が深いのがガルマ。前述したイセリナとは真剣に交際していましたが、彼女の父で前市長は交際を快く思っていなかったようです。これに彼女は父を裏切ってでもガルマの傍にいたいと愛を告げます。ガルマも「父もジオンも裏切ることはできない」と打ち明ける一方で、戦果をあげれば結婚を許してくれるであろうとし、「それで聞き届けてもらえねば、私もジオンを捨てよう」と、愛を貫く宣言。後に戦死する瞬間も彼女の面影を思い出していました。
●死後の影響…「坊や」ではなく、ジオン公国軍人として死んだガルマ
シャアに謀られたガルマは、ガウの操縦桿を握りホワイトベースに特攻、この際「ジオン公国に栄光あれ!」と叫び、軍人として死んでいきました。
ジオン公国でのガルマの人気は絶大で、この死を戦意高揚に利用したのが兄のギレン・ザビ。ひっそりと送り出したいと願ったデギンに対し、ギレンと姉のキシリア・ザビは国葬を提案。結局、大々的に葬儀が行われ、ギレンの名演説が生まれました。これは地球圏全域で放送され、「ガルマ・ザビは死んだ! なぜだ?」を受け、シャアがつぶやいたのが「坊やだからさ」でした。
しかしガウ特攻に際し、ガルマが叫んだのは「ジオン公国に栄光あれ!」。これは「坊や」には口にできない覚悟の言葉。その最期はジオン公国軍人として死んでいったことに他ありません。
アニメ版では数話しか登場しないガルマですが、『THE ORIGIN』では幼少期から、その死までが描かれています。猛々しい性格の兄姉とは違い、どこか純粋で家族や公国民に認められたいという欲求、そしてシャアを友人として信じきっていたのは、やはり「坊や」と言わざるを得ません。しかし、他者への愛や無垢さ、人間味や負けず嫌いな性格、生来のカリスマ性は人の上に立つ素養を十分に満たしていた人物だと考えられます。
(南城与右衛門)



