「ダイロス」ファンたちが熱中するスピンオフ『勇者アバンと獄炎の魔王』 本編で明かされなかった謎
後の軍団長も顔を見せる敵陣営の豪華さ
本作の敵となるハドラーは、まだ魔王だったことから自信満々で自ら率先して前線で戦うことを好む姿で描かれています。アバンのレベルアップを喜んでいるところなど、残虐でありながら武人としての心構えと生きざまは、後の魔軍司令時代よりも超魔生物の頃に近いかもしれません。
このハドラーの部下として魔王軍のモンスターを指揮するのが4人の幹部である「四天王」です。
このなかでも『ダイの大冒険』でも登場したのが、後にダイを育てることになる鬼面道士の「ブラス」。本作のストーリーによって、ハドラーの指示で魔王軍のモンスターを育成する役目から南海の孤島デルムリン島にいたことが分かります。おそらく現在の展開では、本作でのアバンとの直接の接触はないかもしれません。
もうひとり、『ダイの大冒険』で登場しているのが地獄の騎士「バルトス」です。ヒュンケルの育ての親ですが、本作第1話から登場していました。この時点で、すでにヒュンケルも登場しており、その手作りの星の首飾りも身に着けています。いまだにアバンとの直接対決はありませんが、物語が進めば『ダイの大冒険』で見た光景が展開されることでしょう。
本作オリジナルキャラで、四天王のひとりが亜人面樹キギロ。魔物の森を世界各地に広げています。功名心が強く抜け目のない性格で、魔王軍のなかでは一番悪役らしいポジションでしょうか。
この時代のハドラーの片腕とも言えるのが、四天王のひとりデストロールのガンガディアです。トロル族であるコンプレックスから知性的になることを選び、魔法ではマトリフさえも認めるほどの力を持っていました。もちろんトロル族特有の肉体の強さをも持ち合わせ、文武両道で隙のない敵キャラとなっています。
以上が本作におけるハドラー率いる魔王軍ですが、登場キャラはこれだけではありません。すでにクロコダイン、ザボエラ、ミストバーン、バランといった後の軍団長も登場していました。もちろんベールに覆われていますが、大魔王バーンも名を伏せてハドラーと接触しています。
ストーリー面でも後の『ダイの大冒険』で重要な役割を果たす出来事がいくつも伏線として描かれており、「エピソード0」としての役割を十分に果たしていました。現在、連載では「凍れる時間の秘法」でアバンとハドラーが動けなくなったところまでが描かれています。今後、どうしてアバンとハドラーが動けるようになったのか? など、『ダイの大冒険』で明かされなかった真実がいくつも明らかにされることでしょう。
単行本は5巻まで発売されていますが、連載最新話数は配信サイト「少年ジャンプ+」にて初回無料で読めることから、「ダイロス」のファンたちは駆け込み寺のように読んでいるようです。もともとはTVアニメに合わせて連載された作品ですが、終了後も存分にファンの期待に応えている模様。ひょっとしたら本作終了後に、その流れで幻の「魔界編」が連載されるかも? と期待するファンも少なくないようです。
(加々美利治)