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「ガンダム」宇宙世紀の悲惨すぎる強化人間3人 愛する者を守って散る

『機動戦士ガンダム』シリーズには肉体や精神を強化された強化人間がたびたび登場し、その多くは悲劇的な結末を迎えています。放送中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でも強化人士であるエランが、強化人間の悲惨な運命を体現しました。これまでの「ガンダム」シリーズに登場した歴代の強化人間のなかでも特に印象深い3人を紹介します。

シリーズに登場した初の強化人間、フォウ

「機動戦士ガンダム」シリーズには肉体や精神を強化された強化人間がたびたび登場し、その多くは悲劇的な結末を迎えています。現在放送中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でも「強化人士」と呼ばれるエラン・ケレスが6話で退場し、強化人間の悲惨な運命を体現しました。これまでの「ガンダム」シリーズに登場した歴代の強化人間のなかでも、悲劇的なエピソードが特に印象深い3人を紹介します。

●フォウ・ムラサメ

著:遠藤明範、原作:矢立肇・富野由悠季『機動戦士Zガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』(KADOKAWA)
著:遠藤明範、原作:矢立肇・富野由悠季『機動戦士Zガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』(KADOKAWA)

『機動戦士Zガンダム』17話「ホンコン・シティ」で初登場したフォウ・ムラサメは、「ガンダム」シリーズに姿を現した最初の強化人間です。地球連邦軍のムラサメ研究所で調整を受けており、4番目の被検体であることから「フォウ」と名付けられました。強化の過程で記憶を操作され、自分の本当の名前を含めて過去のすべてを失っているため、奔放で無邪気な性格と、調整された戦士としての人格がひんぱんに入れ替わるなど、情緒も不安定な状況となっていました。

 フォウ自信も記憶がないことに苦しんでおり、「功績を挙げれば記憶を返す」と言い含められてやむなくサイコガンダムに搭乗し、カミーユたちと交戦することになったのです。

 しかし一度サイコガンダムを降りればひとりの年頃の美女であり、ホンコンシティで出会ったカミーユと心を通わせます。それでも結局は敵同士であり、「自分の記憶」とカミーユのどちらかを選ばなければいけなくなったフォウは別離を選びますが、カミーユが宇宙に上がろうとした際には命がけで手助けを行っています。なお、劇場版『機動戦士Zガンダム A New Translation』ではこのとき死亡しています。

 TV版ではその後、35話で再登場した際にはさらなる強化を受けており、情緒の安定度がさらに悪化しカミーユとの再会時も異常な対応をしています。それでもカミーユを思い出したフォウは、ジェリド・メサが駆るバイアランの攻撃からカミーユをかばい戦死を遂げました。最終回ではパプテマス・シロッコとの最終決戦の際に他の死者と共に姿を現し、カミーユに力を与えています。

 小説『機動戦士Zガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』で語られた設定によると、一年戦争で家族を失った戦災孤児であり、元々は「トーキョー」と呼ばれる大都市の近くに住んでいたとされています。家族を失ってからは不良少女として生きており、感化院に入れられてそこからムラサメ研究所に送られたようです。

 当時、彼女が名乗っていた名前は「キョウ」。苗字は誰も知りません。

【画像】哀しい「強化人間」が乗るモビルスーツを見る(6枚)

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