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「支払う代償」がデカ過ぎたアニメキャラ3選 「むしろ不幸になった?」

「犠牲なしに得るものはない。何かを得るには同等の代価が必要になる」等価交換の原則は『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックや、死にかけるたびにパワーアップするサイヤ人など多数の作品に出てきます。ですが得たもの以上に失ってしまった、辛い状況に陥ってしまった、そんな不遇とも言えるキャラクターにスポットを当てます。

等価交換で“大事なもの”を失った人たち

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」キュゥべえの取引に応じた少女たちは踊らされる (C)MagicaQuartet/Aniplex・MadokaPartners・MBS
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」キュゥべえの取引に応じた少女たちは踊らされる (C)MagicaQuartet/Aniplex・MadokaPartners・MBS

 身体の潜在能力を引き出すかわりに、激しい猛毒で死ぬほど苦しい『ドラゴンボール』の超神水。不思議な能力が身につく代わりに泳げなくなる『ONE PIECE』の悪魔の実。何かを犠牲にして、力を得るキャラクターの覚醒シーンにはワクワクするものです。

 ですが、時には「その取引、むしろリスクのほうがデカくない?」と言いたくなるシチュエーションもチラホラ見かけます。ここではデメリットが大きい取引をしてしまったアニメのキャラクターを3人紹介します。

※以下、本編ネタバレの内容を含みますのでご注意ください。

●『魔法少女まどか☆マギカ』

 夢と希望と華やかなコスチュームで街の平和を守るのが、魔法少女です。彼女たちが戦う魔女が、未来の自分の姿でさえなければ、幸せな物語だけがそこにあったのでしょう。

 猫のような姿の宇宙人=キュゥべえが彼女たちの願いを叶えるかわりに、魔女と戦う契約を結んでしまった魔法少女たちの物語『魔法少女まどか☆マギカ』。希望に溢れているはずの少女たちは、終わりのない戦いに身を投じているうちに、少しずつ絶望に蝕まれていきます。その成れの果てこそが、人を呪い、食い殺す魔女でした。美樹さやかは自分の身体が人外に成り果てたことと、友人との三角関係に苦んだがゆえに絶望して、魔女になってしまいます。「あたしって、ほんとバカ」

 TVシリーズの最終話、親友である鹿目まどかは、救いのない運命に落ちていったさやかたちを目の当たりにして、“世界の法則を書き換える”奇跡を起こすことに成功しました。ですが奇跡の代償として、生身のまどかはどこにもいなくなり、生きていた存在すらも消えてしまいました……誰もまどかを覚えていません。新しい世界では、魔女に堕ちる不幸な魔法少女は生まれなくなったのです。ひとりの少女の願いと引き換えにして───。

15周年経った今でも、スマホゲームやTV再放送など話題に事欠かない『コードギアス 反逆のルルーシュ』 (C)SUNRISE/PROJECT GEASS・MBS
15周年経った今でも、スマホゲームやTV再放送など話題に事欠かない『コードギアス 反逆のルルーシュ』 (C)SUNRISE/PROJECT GEASS・MBS

●『コードギアス 反逆のルルーシュ』

「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」主人公であるルルーシュの言葉です。大国ブリタニアの王子として生まれ、政略戦争に巻き込まれて身を潜めているルルーシュが手にした反逆の牙こそがギアス能力です。ルルーシュは“目を合わせた相手に一度だけ命令を聞かせる”ギアスの力で大勢の人の心を操り、運命をねじ曲げていきました。全ては車椅子生活となった盲目の妹=ナナリーのために。

 ですがルルーシュの戦いは、自分と周囲の運命すらもズタズタに傷つけていくことにも繋がりました。自らの手で義理の兄を射殺し、自分に恋心を抱くシャーリーの父親を事故死させてしまい、無二の親友であったスザクと決別して、幾度となく殺し合う関係になってしまったり。

 そんなルルーシュのギアス能力で、もっとも大きな代償を払ったひとつに“虐殺皇女”ユーフェミアがいます。平和を望んだユーフェミアの思想に共感して、ともに歩もうとした瞬間、ルルーシュの瞳が暴走してユーフェミアに“とある命令”をかけてしまったのです。「じゃあ、兵士の方々、皆殺しにしてください!」ユーフェミアは日本人に虐殺命令を下して、自らもマシンガンを乱射。周囲を血の海に染めるほど乱心してしまったのです。

 もはや自らの手で引導を渡して、ユーフェミアに汚名をかぶせるしか事態を収拾できません。「さようなら、ユフィ……たぶん、初恋だった」と、手にした銃の引き金を引くのです。ルルーシュはその後も多くの犠牲を払いながら、ユーフェミアが望んだ優しい世界を実現していきます。自らが世界を虐げる悪虐皇帝となり、世界中の敵となって散ることによって……。

命を削りながら戦い続けるロゼットはアニメ版、原作版のどちらも短命で生涯を終えることに…… 『クロノクルセイド』DVD Chapter.4(角川書店)
命を削りながら戦い続けるロゼットはアニメ版、原作版のどちらも短命で生涯を終えることに…… 『クロノクルセイド』DVD Chapter.4(角川書店)

●『クロノクルセイド』

 やんちゃなシスターであるロゼット・クリストファと少年の姿をした悪魔クロノが、バディを組んで悪魔退治に奔走するバトルアクション『クロノクルセイド』。ふだんのクロノは少年の姿ですが、真の力を解放するためには、ロゼッタの寿命を糧にして、真の姿に戻る必要があります。

 そのためロゼッタの命を気にかけて、よほどの事態でないと変身しようとしないクロノですが、因縁の強敵であるアイオーンが相手ともなるとそうもいきません。クロノの力を使うたびにロゼットの寿命を示す懐中時計が猛回転して、急速に命の灯が減っていくことが視覚的に確認できます。

 本人も「多分…30歳までは生きられないわね…私…」と明言していたとおり、コミックの最終巻に出てくる墓標によれば、ロゼットは24歳で早過ぎる死を迎えました。『クロノクルセイド』はアニメと原作コミックで設定や終盤の展開が違うのですが、アニメ版のラストでも、ロゼットはクロノと手をつなぎながら若くして息を引き取ります。しかも倒したはずの宿敵・アイオーンが復活するおまけ付き。ロゼッタとクロノが命を削ってまで戦ったことは無駄だったのか……そんな諦念を感じさせるビターな幕引きとなりました。

* * *

「願いが叶う代わりに、人外になって絶望して魔女になる」「力を得たけど、初恋の子を殺害してしまう」「力を得た代わりに、若くして寿命が尽きる」どれも自分に置き換えてみるとヘビー過ぎて、受け入れるには相当の覚悟が必要そうです。

 その一方で、存在自体がこの世から消えてしまう代償を払った鹿目まどかは、後悔はしていなさそうです。支払った代償があまりにも重かったとしても、不幸だと感じるかどうかは本人次第ということもしれません。

(かーずSP)

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