ジブリとルーカス、コラボの背後に「奇妙な縁」 宮崎駿監督と40年以上の繋がりも?
ジブリとピクサーが仲良くなったきっかけも

また宮崎氏は、この『NEMO/リトル・ニモ』の制作スタジオで、見学(売り込み)に来ていた当時ディズニー・アニメスタジオの若手アニメーターだったジョン・ラセター氏と出会います。
言うまでもなくラセター氏とは、2017年までピクサー・アニメーション・スタジオ(以下、ピクサー)とディズニー・アニメスタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを兼任し、『トイ・ストーリー』をはじめ数々の3DCGアニメの傑作を世に放ってきた人物です(現在はスカイダンス・アニメーションに所属)。
ラセター氏と宮崎駿氏、ピクサーとスタジオジブリのスタジオぐるみの親交は有名で、以前から『トイ・ストーリー3』『ズートピア』といったピクサーやディズニー・アニメスタジオの作品に、トトロなどスタジオジブリのキャラクターがカメオ出演しています。
そんなラセター氏とピクサーも、実はルーカスフィルムと深い関わりがあります。
『NEMO/リトル・ニモ』の制作スタジオで、宮崎駿氏と出会った直後、当時最先端の技術だったCGに魅せられたラセター氏は、手描きとCGを交えた作品の企画をディズニー・アニメスタジオに提出したところ、手描きを重んじる社員たちに疎まれ、退社を余儀なくされました。
そして次にラセター氏が入社したのが、ルーカスフィルム傘下のSFX/VFX会社インダストリアル・ライト&マジックだったのです。ラセター氏が所属していた同社のCG部門は、『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』などの特殊効果で高い評価を受けました。そして彼らが1986年にスティーブ・ジョブズの支援を受けて独立、創業したのがピクサーなのです。
『禅 グローグーとマックロクロスケ』が生まれた背景には、世紀のコラボと呼ぶのにふさわしい、スタジオジブリとディズニーとピクサーとルーカスフィルムの40年にわたる奇妙な「縁」があったのです。
※引用・参考文献:
『吾輩はガイジンである』スティーブン・アルパート(岩波書店)
『PIXERぴあ』ぴあ株式会社
『《スター・ウォーズ》知られざる真実 ルーカス帝国の興亡』ゲリー・ジェンキンズ(扶桑社)
『作画汗まみれ』大塚康生(文春ジブリ文庫)
『リトル・ニモの野望』大塚康生(徳間書店)
(倉田雅弘)




