悲惨な末路が待つ「ガンダム」の強化人間たち 男性キャラは「面白さ」も目立つ?
民間人がいても「撃っちゃうんだなぁ、これが!」面白系キャラも?
●マシュマー・セロ『機動戦士ガンダムZZ』
『機動戦士ガンダムZZ』に登場したマシュマー・セロは、未強化のキャラクターが途中で強化手術を受けた珍しい例です。当初はハマーンに心酔し、騎士道精神にあふれるネオ・ジオンの士官として登場しました。時に空回りしながらも、ジュドー・アーシタのライバル的な存在として存在感を発揮します。しかし、たび重なる失敗の責任を問われ12話で表舞台から退場を余儀なくされ、37話で再登場した際には強化人間になっていたのです。
強化されたマシュマーは精神的にも冷酷な人物となっており、ダブリンへのコロニー落としを実行に移しました。戦闘力も極めて高く、グレミー・トトの反乱の際にはザクIII改に搭乗し、プルツーのクィン・マンサと互角の戦いぶりを見せました。しかし最後はラカン・ダカラン率いるドーベン・ウルフ隊と交戦して壮絶な死闘を繰り広げたあげく、拡大した自身の能力に飲み込まれるかのように、ザクIII改と共に光の中へ姿を消しました。
●ゾルタン・アッカネン『機動戦士ガンダム NT』
劇場版『機動戦士ガンダム NT』に登場したゾルタン・アッカネンはジオン共和国が密かに用意した「シャアの再来」候補のなかで失敗作とされていた強化人間です。
「ガンダム」シリーズに登場した強化人間のなかでも、スペースコロニー内で民間人への損害お構いなしにビームライフルを撃つなど特に精神の安定性を欠いています。しかし、戦闘能力は高く、強化にかかった予算分は活用したいという考えの元、「不死鳥狩り」作戦に投入されました。
非人道的な強化を受けたため軍や社会を憎んでおり、一見すると極めて幼稚で乱暴な人間に見えます。が、独自に解釈したニュータイプ概念を持つなど知性は高く、自身と同様に強化を受けて サイコミュと同化してしまったリタ・ベルナルに対しては共感や同情を見せるなど、ひと筋縄ではいかない人物です。
作中では「悪」として描かれたため末路もそれにふさわしいものでしたが、公式の動画で『ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!』が作られるなど愛すべき点も見られる面白いキャラクターと言えるでしょう。
(早川清一朗)