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人生ゲームはどうつくられる? 50年間、絶対に変えないこと、絶対に入れたかったものとは

トレンドを先読みし、長く遊べるものを

 一方、スタンダード版は、初代の人生ゲームの良さを踏襲しながらつくっているもので、8~10年ごとに、新しいものをリリースしているとのこと。現在は7代目が販売されています。

「スタンダード版は、1度出すとしばらくリニューアルされないため、数年後に遊んだ時でも違和感がないように、今流行っているものだけでなく、『今後はこれがトレンドになり、やがてスタンダードになっていくだろう』というものを先読みして、マス目に盛り込むようにしています」(池田さん)

 そのために必要なのは、自分たち自身が常に世相を追いかけること。

「日常的に様々なメディアを見聞きし、時事を把握しながら、都度、チームでその情報を交換しています。街で面白いものを見た時などにも、チームのSNS内にその場で投稿し、共有したりしています」

 チームの人数はわずか3人。しかも、全員別の仕事と兼務しながらといいます。そのため、1作品あたりの制作時間は長期に渡ります。

「1作品あたり、10か月から1年位かけてつくることが多いのですが、凝ったものになると、1年半くらいかけてつくるものもあります。特に時間をかけるのはギミック、そしてやはりマス目の中身ですね」

世相とは関係なしに、マス目に必ず盛り込む要素とは?

 人生ゲームに世相が反映され始めたのは3代目からです。

「初代人生ゲームは、1960(昭和35)年にアメリカで誕生した『THE GAME OF LIFE』の内容をそのまま日本語に置き換えたものでした。

 そのため『隣の羊にランを食べられた』とか『石油を掘り当てた』など、アメリカの開拓時代の名残のような、日本に馴染みのないマスが沢山あったんです。ですが当時は、『意味はよくわからないけれど、アメリカのゲームはかっこいい』と魅力を感じる人が多かったようで、大ヒットを記録しました」

1968年に発売された初代人生ゲーム(2018年12月19日、高橋亜矢子撮影)
1968年に発売された初代人生ゲーム(2018年12月19日、高橋亜矢子撮影)

「牧場を売る」「ラッキーデー石油が出た」「かつらを買う」(2018年12月19日、高橋亜矢子撮影)
「牧場を売る」「ラッキーデー石油が出た」「かつらを買う」(2018年12月19日、高橋亜矢子撮影)

「3代目あたりからは、人生ゲームが日本に馴染んできたため、オリジナルのマス目を取り入れ始めています。より身近なものにするために、お正月やお歳暮などの日本独自のネタを入れ込んだり。ここから日本独自の進化が始まりました」

 進化を遂げるマス目ですが、世相と関係なく、毎回必ず入れているキーワードがあるといいます。

「羊、宇宙人、石油。アメリカの人生ゲームに頻出するようなキーワードは、あえてしつこく入れ続けています。あと、マス目ではないのですが、ルーレット、人物ピン、お金。この3つは、変えないようにしていますね」

 これらの3つを変えないのは、人生ゲームを「大人から子どもへ引き継がれていくゲーム」だと考えているためだといいます。

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