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『ボトムズ』装甲厚はバーベキュー用の鉄板並? 傑作メカ・ATの「ヤバすぎる」設計思想

装甲の厚さはバーベキュー用鉄板と同じくらい?

  無骨な外観だが乗員の生命を守るには頼りない装甲 画像は「1/20 スコープドッグ メタルスペックVer.」(BANDAI SPIRITS)
無骨な外観だが乗員の生命を守るには頼りない装甲 画像は「1/20 スコープドッグ メタルスペックVer.」(BANDAI SPIRITS)

 スコープドッグのスペック表でまず目につくのは装甲厚です。なんと6~14mmしかありません。最薄部はバーベキュー用に販売されている鉄板と同程度の厚さです。

 参考までに第二次世界大戦の戦車を例にすると、アメリカのシャーマン戦車が50~70mm程度、ドイツの4号戦車が50~80mm程度の装甲をまとっており、現在のMBT(Main Battle Tank:主力戦車)の正面装甲は500mm程度と言われています。

 スコープドッグの装甲は最厚部でも14mmしかありませんから、作中で弾丸がスパスパ貫通していたのもうなずけます。

●良く燃えるのに消火装置がない

 ATはマッスルシリンダーと呼ばれる人工筋肉で駆動し、その内部にはポリマーリンゲル液と呼ばれる極めて可燃性の高い液体が詰まっています。ところがATには消火装置や機密構造がありません。

 つまり被弾したら高確率で火ダルマになってしまうのです。

●生命維持装置は与圧服頼み

 アタッチメントを装着することで宇宙空間でも活動できるATですが、コクピットが与圧されておらず、生命維持装置もついていません。パイロットは与圧服を着用する必要があります(TV版)。スタンディングタートルのように水中で活動できるATもありますが、局地戦用だと言えるでしょう。

●人命よりもコストを優先した設計思想

 このようなATの特徴から見て取れるのは、機体どころか人命まで消耗品と見なす極端な設計思想です。新品の機体を生産し続ける方が、修理するよりも低コストで手間がかかりません。問題はAT乗りまで同様の扱いをしている点です。

 おそらくATの設計段階でシミュレーションをしたのでしょう。その結果、コストをかけて乗員が生還できるATを生産するよりも、コストを抑えて大量生産し、AT乗りごと補充した方が「大局的にはお得」だと判断したに違いありません。

 兵器よりも人命が安くなってしまう戦場のリアリズム。アニメとしてデフォルメされていますが、実際にあったことですし、条件さえ揃えば21世紀にも起きえるでしょう。いや、もしかしたら…。

 放送開始から40年を迎えてなお『装甲騎兵ボトムズ』のテーマは少しも色褪せていないのです。

(レトロ@長谷部 耕平)

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